2005. 6.      トップへ

  by Ayumi NAKAYAMA

●05.06.28  昭一&小三治
 小三治に招かれて小沢昭一が新宿・末廣亭に出演中ということで、その語りを聴きに行ってきました。連日、これまで小沢昭一が寄席で見てきた、有名・無名さまざまな芸人たちについて思いつくままに語り、歌ったりハーモニカを吹いたり。客席の呼吸をつかみながら、「そういえば…」てな調子で、その場でいろいろな抽出をあけて、一見、たわいもないことを、一秒たりとも客の注意を逸らさせずに絶妙な緩急で話す、その嬉しそうに話す様子に、観客もうんうん、という気分になり、その空気がまた小沢昭一を語らせという、穏やかなグルーヴに包まれ…。さらに、その小沢昭一を枕に小三治が噺をはじめ…と、不思議な掛け合いが。
 偶然、会った小三治フリークの知人たちによると、前日のやりとりを受けてまた翌日には意表をついたやりとりが展開されているそうで、そんな連日の異種格闘技みたいなことが寄席で展開されていようとは!小三治のこともすっかり好きになってしまった。

●05.06.23  へんなせっくすの語り方
 どこかで見たことあるようだけど、中身を読んでみると過剰な文章に魅了されます!
 たとえば身近な「カエル」の項では「カエルは冬眠から目覚めると、産卵池に大挙で押し寄せ、メスを誘うためゲロゲ〜ロと大合唱。この繁殖パーティでメスを見つけることのできたオスはメスに後ろから飛びかかって、スリーパー・ホールドのように強く抱きしめます。これはメスが排卵するところへ精子をかけようとするための、いわば「キープ」です。オスはいったん抱きつくと、そのタイミングまでは飲まず食わず、長いもので2週間ハグし続けるというのだから、まさに「ど根性ガエル」!」といった具合で、青空球児、格闘技、ピョン吉とオタクな博識&ムダ知識のフリンジに彩られた名調子に笑いが出てしまいます。妹萌えとダニのセックスを結びつけたり、ニートとフジツボを重ねたり、わざわざギリシア悲劇やゲーテの「ヴィルヘルム・マイスター」を引き合いに出して語るハチの性…。オタクとワイドショーとAVやエロ劇画と格闘技と自然科学とが織りなす、あらたな文法。動物たちの変わったセックスを丁寧なですます口調で暴く文章のエンターテイメントが愉快です。

●05.06.22  ともだち、ねむの木、そして私
 Hana mini boookはタイトル通りの小さな個人編集の冊子で、年に1回くらいのペースで発行されてます。小さいながらも、海外の古本村や古本の館を取材したり、今回の特集「手紙の贈り物」では北欧を旅して切手やポストを観てまわったり、世界を飛び回っています。古本、手紙と、紙のメディアに関する特集が多いのも嬉しい。特集とは別に今回、ねむの木学園のこども美術館にも取材に行っていて、子供たちの作品はもちろん、ペインティングで覆われたバスや絵が描かれた壁、すてきな噴水や樹木のある庭の写真も出ていて、学園の様子がわかります。案内人は学園長の宮城まり子さん。親切に案内されるうちに、時間を忘れて、園で夕食をとり一泊することになるという嬉しい予定外の様子が伝わってきます。7月から8月にかけて都美術館でねむの木学園の展示もあるそう。楽しみです。宮城さんの本はどれもやさしい言葉で語りかけられるよう。ねむの木の子たちにもいつも「やさしくね、やさしくね、やさしいことは、強いのよ」と繰り返します。わたしもねむの木学園に行ってみたーい。

●05.06.21  たまにはお子さんたちのことも
 私は独身ですが、周りに子持ちの知人が増えてきて、ようやく大人目線で、子供ってかわいい〜と感じられるようになってきました。それで、友沢さんの「まめおやじ」発売記念のフェアで、友沢さんがTシャツなどを作りたいと提案してくださったので、せっかくだから、親子Tシャツにしたい、と思いました。大人用と子供用おそろいですよ。(別々にもお求めいただけますし、ちょっとお得な親子セットもあり)。タコシェには太田螢一さんが作った子供用Tシャツもあります。太田さんも、友沢さんも、作品は一クセありますが、そんな酸いも甘いもかみわけたアーティストが、子供のために、かわいい絵柄を用意してくれるのです。タコシェによる、初のお子たちのためのTシャツ、ちょっと意外でしょ。健やかな成長を祈って作ります。

●05.06.20  OH MY GOD!!
 オーストラリアから、エンジェルとエミリーの二人組の女の子がやってきて、タコシェに彼女たちの描いたイラストをシルクスクリーンでプリントしたキャミソールや布地を納品してゆきました。キュートでちょっと毒のあるドローイングを鮮やかなピンクのシャツや、花柄やチェックの布地にプリントしたもので、お値段もすごくお手頃(2000円以下)。さらに店内の画集や漫画を手にとって「OH MY GOD!」とか「Wow Amazing!」などとすごいリアクション。そこで「この作家を知っているの?」と尋ねると、「はじめて」と。先入観なしで、いろいろなものを見て、たくさん感動している様子にこっちも感動。かわいくて大胆でガーリーな二人とその作品。身につければ、感動100倍という感じにヴィヴィッドです。

●05.06.19  大阪の皆さん、おじゃましました〜
 大阪での出張販売ボブも終わりました。長いようで短かった一ヶ月。離ればなれで、お店のカラーも年代も違う同士の作業で、想定外のこともあって面白かったです。ご来場のお客様ありがとうございました。引き続き、ミニコミガイドブックbooklet of bookletsはちょうちょぼっこでもタコシェでも販売しますので、どうぞよろしく。

●05.06.18  トーク再録
 復刊した『薔薇族』は、美輪明宏インタビューがあったり、唐沢俊一氏が登場したり、ゲイアート紹介もありで、ゲイの方のみならず、カルチャー誌や情報誌としても多くの方に楽しんでいただける誌面になっていますが、最新号8月号に、この前の石原豪人こと林月光先生にまつわるトークイベント「月光夜話」(赤田祐一さん、竹熊健太郎さん、田亀源五郎さんによる)が再録されました。14ページにわたって、トークの模様をほぼ収録。豪人先生に関する、貴重な証言や考察を記録していただけました。しかも、来月と二回にわたっての掲載になります。当日、いらっしゃれなかった方、タコシェでも「薔薇族」お取り扱いしてますので、どうぞ、ご覧ください。

●05.06.14  俳優最前線
 森繁は芸能界の最長老にして最大のスターです。しかし、その一方で、竹中労やナンシー関といった辛口の論客の標的となり、その権威を痛烈に批判されたり(竹中によって俳優協会会長の座を追われ)笑われ(ナンシー関によって日本アカデミー賞でのおじじぶりを指摘される)、通人の間での評価はいまひとつの感があります。とはいえ森繁は森繁、国民的スターです。どんな批判に晒されようとも、論客より長生きして、90才を超えて現役という、前人未踏の俳優人生の真っ最中。最近では、自身の妻子や後輩俳優といった年下の者たちを見送る際の涙まみれの弔辞、週刊誌に連載される久世光彦による聞き書き(当初は聞き書きであったが、次第に俳句の季語のようにうっすら森繁に関係することが出てくる久世エッセイになっていたりする…)などが注目に値します。over90という存在自体が奇跡のような立場で、老人力を発揮しまくり、久世光彦をして「語り」が出てこない「語り」を成立させてしまう、表現の最前線に立っています。そんな森繁の著作を紹介するお仕事の最中でもあります。

●05.06.13  12周年記念事業
 林月光先生の図録、ミニコミガイド・ボブと冊子づくりが重なり、出来上がってホッとする一方で、終わっちゃってつまんな〜い、な気分も。いわゆる荷下ろし症候群です。編集が忙しかったときに手がまわらずにいた注文などの仕事に力を入れて通常業務を盛り返せばよいのですが、それだけでなく、この荷下ろし感を早く解消するには新たな荷を担ぐに限ります。前から作ってみたいと思っていた、タコシェ周辺の中野mapを作成しようと思いました。グルメ情報(どういうグルメかは疑問)、生活役立ち情報(安売り店など)、各種専門店・名所などを盛り込んだ周辺地図。近所にお住まいの作家さんにも協力していただいて、中野散策が楽しくなるものにしたいと思います。この6月でタコシェは12周年ですし。

●05.06.11  大阪さらに力を入れてます
 大阪堀江のちょうちょぼっこでは、タコシェの出張イベント「ボブ」が続いています。ミニコミ類、売り切れたものを補充しつつ、「おっ、まだまだこんなものもあったぞ」という本をさらに投入しているので、後半においでいただいても決して損はさせません! も一度いらしていただいても新たな発見があります。送っている自分でも、「タコシェにはこれ、ずっとあったから珍しいと思わなかったけど、ほかではまずない」みたいな再発見がありましたもの。それとタコシェオリジナル図録『月光秘宝館』も大阪でお取り扱いしているのはいまのところ、ちょうちょぼっこさんとまんだらけさんだけですから、ぜひ会場でお求めください。関西方面では、ほか神戸のちんき堂さん、京都の恵文社一乗寺店さんとガケ書房さんにあります。ボブは19日までです。あと、珈琲ジャンゴブレンドや日本酒・電氣菩薩もこの機会にお召し上がりください。

●05.06.10  まめおやじさん2
 まめおやじさんのかわいい作品を見ながら考えました。同じ手作りでかわいいでも、現在、流行のくらし系の雑誌が紹介している、手作りやかわいいとは違う。
 タコシェにも入ってきた雑誌diatxtで女子カルチャーに関する論考があり、その中で、くらし系の雑誌や著作では、一人称さえも避けて自己主張の匂いを消しながら、しかし、そこまで好きなモノやライフスタイルにこだわる自分の世界を巧みに主張している、というようなことが指摘されていました。つまり、穏やかでいながら、何かを選び、何かを排除する手際よさがあります。たまたまつけたテレビのみのもんたをついつい見てしまった、みたいなうっかりから己を律しているというか…。
 比べて子供の絵やいわゆるアブノーマルアートってそんな手際があまり感じられなくて、ただ手当たり次第の好きをつめこんだようでかわいいのですね。

●05.06.09  まめおやじさん
 友沢ミミヨさんがフランスから帰国して初の単行本『まめおやじ』を出すのにあわせてタコシェでもフェアを行うことになり、その打ち合わせがてら友沢さんのところへ。『まめおやじ』は、友沢さんの育児の日々の中から生まれた4コマ漫画。漫画の中の赤ちゃんは友沢漫画のおなじみのキャラ、ハゲで太ったオヤジをう〜んと小さくした姿をしてますが、実際のお子様はとてもかわいいフレンチロリータです。そのかわいい成長やふるまいから抽出された言葉や動きを、まめおやじに移植することで、見かけだけでないカワイサや、かわいくみえて実はありゃりゃなことがわかって楽しいです。そうだよね、世の中にたくさんいるオヤジたちも、みんな赤ちゃんだったんだよなぁ、かわいかったんだよなぁ〜。とお母さんみたいな心でオヤジを見ちゃいそう。
 お部屋には、まめおやじさんの作品がたくさん展示されていました。小さなキャラクターの絵をまだまだ使いこなせないハサミで一所懸命切り抜いて、牛乳の紙パックの奥にオーケストラみたいにひとつひとつ並べて貼った劇場仕立ての力作やら粘土系オブジェやイラスト…。まめおやじさんは仕事でもないのに、誰にも頼まれてもいないのに、一所懸命、たくさん作品を作っていました…。すげえ。

●05.06.08  おわりのはじまり
 出版業界の危機や活字ばなれが話題になる中で、97年から季刊で4年間16号完結の予定で創刊された雑誌「本とコンピュータ」。刊行するうちに本とコンピュータを巡る状況は大きく変化し、さらに4年16号をかけて様々な出版を巡るレポートを発表したり、提言をしてきましたが、これにて終刊。活字離れはどうなる? 印税の支払い方法が変わりつつある、電子出版の可能性、ネット書店と地べた書店の今後、デジタル化による書籍流通の変容…などなど。この雑誌の活動の中からアジア圏の出版ネットワーク構想など今も進行中のプロジェクトが生まれたように、雑誌は終わってしまっても、蒔いた種がどういう芽を出し花を咲かすか…まだまだ続きはありそうです。

●05.06.05  手作りの本たち
 青山のスパイラルマーケットに自主制作の本の展示・販売を見にゆく。くらし系(ku:nelとか天然生活とかいう手作り感ある丁寧な暮らし的なもの)、アートを中心とした丁寧な作りの本がいろいろ。場合によっては自主制作だから、ここまで凝ったり、手作業部分がある…というような贅沢な本も。
FANTA SCOPE
中はペーパーレースやノートの切れ端など
いろいろなものが綴じられいます。
 帰りにビリケンギャラリーに寄って、逆柱いみりさんの展示最終日を覗く。

●05.06.04  その気持ちわかる…
 根本敬さんの公開シークレットイベントを見に阿佐ヶ谷・我無双へ。私は即興演奏とかセッションって、これまで、やらんとすること=志はわかるけど聴いててピンとこないというかつまらないなぁと思うことが多かったのですが、この日の即興は音楽の流れの中でドラムに椅子を投げつけたり、客席にベースを放り投げたりするのが、どうして投げちゃうかとてもよくわかってしまって、生きていると特に努力しなくてもいつのまにかわかるようになってることもあるものだなぁと発見しました。(でも家具や楽器は投げない方がいいとは思う)
 途中、近所のバー「夜の午睡」に行って丼飯を食べ、長尾みのるさんの60年代のイラストブック『バサラ人間』を復刻したマスターに、先生の装丁やイラストをまとめた本や著作を見せていただいたりしてex-fan des sixtiesな気分に…。

●05.06.03  堀内さん
 読んでみたかったのだけど私家本で流通してないし…と思っていた『堀内さん』。実は、身近なトムズボックスにあったことを、ちょうちょぼっこの日記で知りました。これは、ananやBRUTUSなど数々の雑誌のタイトルロゴからデザイン・企画に深く関わり、多くの絵本を手がけた天才デザイナー堀内誠一さんの没後10年の節目に奥さまを発行人として上梓された本で、公私を問わず堀内さんと交流のあった200人以上の人による堀内誠一像を収めたもの。あまりに多くの本や雑誌、宣伝美術を手がけてきたためにとても作品そのものを一冊にまとめるなんてできそうにありませんが、多くの証言からその鮮やかな仕事ぶりや写真でもモデルでも魔法のようにステキに見せてしまう大胆でいてシャイな人柄が伝わってきます。古本屋さんや書店で見かける本や雑誌の中にも堀内ワークはたくさんありますが、『堀内さん』を読んで、街でその作品を目にすると、前にもまして、デザインの強さ、時代の勢いを感じます。

●05.06.02  アルディ
 フランスのかわいい絵本や雑貨、映画や各地のことを紹介する雑誌SORTIE。最新の10号では音楽のページにフランソワ・アルディが出ています。アルディはちょっと優等生的でロリータの系譜からはみ出てしまうようですが、セルジュ・ゲーンズブールのエロい歌詞を素直に歌うジェーンやベベと違って(ってそれもそれで好きなのですが9、女の子による女の子の気持ちを歌った歌詞やフレンチポップなメロディが好きです。今でもときどき聴いています。

●05.06.01  シグナル
 最近、わけもなく涙が出たりして、すっかり壊れた気分になって、病院にまで行ってましたが、たまたま読んだ整体の本、片山洋次郎さんの「骨盤にきく」に答えが書いてあって、「おお!」という気分になりました。
 たとえば、寝相によって体のどこに凝りがたまっているのかわかるそうで、私は近ごろ朝起きると俯せで片脚を曲げていたのですが、これは骨盤底部の緊張が強いせいで、不安やストレスを抱えた場合にこういう格好をすることが多くなるのだそうです。
 さらに、胸の状態と感情は密接に影響し合っていて、涙は胸椎の4番に繋がっていて、泣くのはここの緊張をゆるめて感情的興奮を鎮める身体反応です、とありました。整体で胸椎4番の過緊張をゆるめただけで、急に涙が止まらなくなってしまうことがよくあるそうです。御神輿が私の骨をゆるめていたのか…。おそるべし神輿パワー。いっそ御神輿で整体ができればいいのに。
 私は胸も腰も緊張しているということですか…。ストレスって…何がそんなに…?? それにしても体のシグナルって面白いですね!

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