2004. Nov.      トップへ

  by Ayumi NAKAYAMA


●04.11.30  れんげ
 NEO TOKYOガイドには、中野ブロードウェイの平面図があるけれど、オタク関係でない定食屋さんや洋品店といったお店もいろいろあって、そういうお店とオタクなお店がランダムに集まっているところが楽しい。2階には、雑誌のコスメ関連の記事の中で、親子での愛用者もいる古くからの信頼ブランドれんげ化粧水の専売店もある。私の知人の中にも敏感肌でなかなか合う化粧水がないという人が愛用しているのだが、あるときタコシェに見えたカップルで、ときどきこの化粧水を買うためにわざわざブロードウェイに来るという人がいらした。私はてっきり、女性が愛用しているのかと思ったのだが、よくよく聞いてみると、男性が水虫でいらして、水虫が出たときにれんげをつけるとよいというのであった。酢が効くというのは聞いていたが、れんげもレモンの成分からできているようなので同じような効果があるのか、あるいは彼の体質のみの特殊な効果なのか…。水虫さえもしずめるれんげの力。お肌にも当然、効果がありそうだ。冬は水虫のオフシーズンかもしれませんが、お役立ち情報として書いてみました。

●04.11.29  NEO TOKYO
 サンフランシスコ在住の編集者パトリックさんとその水先案内人・町山智浩さんに受けた取材の記事を収めた本「CRUISING THE ANIME CITY --AN OTAKU GUIDE TO NEO TOKYO」をいただいた。パトリックさんにとっての日出る国の都TOKYOはアキバと中野ブロードウェイを中心としたOTAKU CITY!。この本は、中野ブロードウェイの各フロアの平面図を掲載していたり、コミケの案内があったり、裏モノ本、モーオタ、コスプレ、ギャルゲー、フィギュア、叶姉妹やら、ガンダムやら、さらには萌えの概念などなどオタク関連のことを網羅して紹介してあり、英語の本なのだけど日本人の私も改めて、体系的にオタクのことがわかり、「そうだったのか」とタメになる一冊です。
 取材部分は、そんなTOKYOにはまったパトリックさんの興奮や息づかいが伝わるような熱い空気に溢れ、タコシェの部分でもなんという店員がどんな案内するのかまで、細かく書かれている。なんとも楽しい本。

●04.11.28  命名
 根本敬さんが12月に発売予定の「命名」を入稿して、いよいよ待望の本が読めそうです。フェアのためにいくつかコミックを読み直したりしてみて、改めてスゴイ!と感じるこのごろ。精子のミクロ世界から宇宙までを隙間な〜く濃密に描く神業! その凄さに関してはスタジオボイスの1月号巻頭でも紹介されるので、みかけたら読んでみてください。
 フェアに合わせたステッカーやバッジも入稿したので、これも無事に出来上がるのを待つばかり。楽しい待ち時間。DM配布もあちこちがんばってみました。

●04.11.18〜21  関西ツアー
 と言えば聞こえはよいが、行商の旅で京都・大阪へ行きました。しかし、この時期の京都は紅葉で観光客が全国から集まるため、宿がなく、出かける前にイトーが「経費節減と京都の自然を満喫する意味でも野宿で頑張ってきてください」と送り出してくれた言葉通りになるところでしたが、立ち寄り先の方の親切に助けられなんとか宿を確保して、営業を続けることができました。
 今回、私は「キョウト自転車生活」(光村推古書院)を読んでいたので、自転車で京都をまわることにしたのですが、大西の「一日中自転車を乗りまわして、疲れて夜中に一人気分が悪くなったらどうするんです」という心配に反して、10時間くらい自転車を乗り回して、京都の新しい本屋さんやカフェをまわったけどすこぶる快適でした。それで大阪市内も自転車で走りまわって、あちこち出かけました。
 で、具体的なことはまだ決まっていないのですが、春に大阪・堀江の貸本喫茶ちょうちょぼっこさんでタコシェのフェアをさせていただけることになりました。これからあちらのスタッフの皆さんと相談しながら、タコシェならではのものを中心にいろいろ品物を選んだり、楽しい企画を出してゆく予定です。関西方面の皆さん楽しみにしていてください。

●04.11.06  口琴の実演販売
 口琴奏者のアーロンさんが来店。店内にて、いろいろな口琴を使い分けてハンガリーの民謡や即興を披露したうえに、丁寧に口琴に関する質問にも答えていただいた。アーロンさんは、タコシェがお取り扱いしてる口琴を作っているハンガリーの口琴職人・ゾルタン・シラギさんのご長男である。ゾルタンさんも30年ほど前から口琴を作りはじめ数百という種類の口琴(そのうちの大部分は量産にいたらない1個きりのモデルらしいが)を創作し、それらにエヴァンゲリストとか、インナーピースとか、アポカリプトといった宇宙的というか哲学的な名前をつけている人物で、芸術家・思想家のような方だが、アーロンさんも温厚で思慮深く、前日にわざわざプログラムの打ち合わせにいらしてくださったうえで6日の本番にのぞんでくださった。口琴もいろいろと持ってらしたけど「質が良くてお得なものだけを売りたい」と言って、すでにタコシェにあるものと比べて、自信を持っておすすめできるモデルを選んでくださり、ひとつひとつ弁をはじいて品質をチェックして納得しかないものは別のよいものに差し替えてくれた。たいへん誠実なお人柄。それが口琴のビヨ〜〜ンにのってお客様にも波及したのか店内、けっこういい雰囲気。最後には口琴好きのお客様たちと自然にセッションになり、彼らは言葉を超えて共鳴し合ってた…。我々も日頃の疑問をアーロンさんにぶつけて、少し口琴の知識が増えました。二日間にわたって通訳を兼ねて同席していただいた日本口琴協会の直川さんにも感謝です。

●04.11.05  上海異人娼館
 4日、寺山修司原作、宇野亜喜良さん芸術監督のダンス公演「上海異人娼館」を観に鶯谷の東京シネマ倶楽部へ。桜嬢役の川井郁子さんのヴァイオリン演奏や黒蜥蜴役の緒川たまきさんのパフォーマンスなどのダンス以外の要素がたくさん盛り込まれ、思った以上に寺山ワールドを堪能することができて満足。緒川さんは宇野さんの描く女が実際に動いているかのようであった。カーテンコール、彼女は最後まで黒蜥蜴を演じた女優・緒川たまきとして拍手に応えており、私も女優に憧れる! カーテンコールをやってみたい!(というかカーテンコールだけやりたい) 森村泰昌のように女優を演じてみたい…。今からどうしたら女優になれるの…? 近所のメガネのチェーン店は終業時に店の外に出て、店長の号令で店員が揃って往来の人に向かって「ありがとうございました」などと頭をさげているが、それがお店のカーテンコール?? あんまりしたくない、されたくない挨拶です。

●04.11.04  オルタナティヴ
 3日、店を終えて武蔵小金井のアートランドに、小川てつオ君主催のオルタナティヴ・スペースに関する座談会+パフォーマンス+交流会へ。週末だけのカフェ、マンションの自宅を開放してのカフェ、店員さんが日替わりの共同経営の飲み屋さん、ギャラリーなどなど…。座談会では店員さんの時給が100円の店とか、大家さんに内緒ではじめた店、6畳間の殆どがスタッフで埋まってしまうカフェなど…猛者揃いといった感じで、いずれも強烈な個性を発散している。客席も酔って倒れたまま放置されている女性がいたりして負けずに強烈…。オルタナティヴってすごい…。

●04.11.03  熱心な客、しかし…
 根本敬さんの展示の情報宣伝用図版を用意するために、立体物をデジカメでなく、マニュアルのカメラで撮り紙焼きにすることにした。撮るのはプロではなく、この私。フィルムを現像に出し、仕上がり時間にさっそく受け取りにゆく。店頭で貪るようにその仕上がりを見入る。そうして、店員さんに「ちょっと色が沈みがちで弱いように思うんですが、何か撮影方法に問題があるのでしょうか…このあたりの白もけっこう黄色みが出てますよね」などと真剣に質問。店員さんも「照明が白熱灯であったり、周りに木製品が多かったりすると色がうつりこんで黄色っぽくなりますね。やき方によって色の強さは調節できますから、ご希望でしたらやり直させていただきます」などと応える。そんな質疑応答をしながら気がつくと、私は若い男の店員さんに、エロ本をみながら千摺りをかいているオヤジのイラストの写真を示しながら熱く質問を連発していたのだった。しかもサングラスをかけて…。変態、いいがかり、やばい女。吹き出しそうになったが、いきなりひとり笑いをはじめたら、いよいよ本物なので、急いで質問を切り上げ店を出た。
 夜、出迎えてくれる猫がいない家のドアは重い…。この日、家族が私に代わって猫の火葬に立ち会ってくれていたのだが、ドアを開けると、あがりかまちにいきなり遺骨が! 思わず「出迎えありがとう!!」 

●04.11.02  お別れ
 20年以上、そばにいた愛猫が、夕刻突然コテと倒れたきり立てなくなり、未明に亡くなってしまった。朝も普通にごはんを食べていたのに。人間にしたら100才くらいなので、いつ何があっても、という覚悟はしていたが、(決算などで忙しくしていたこともあって)私はもっとしてあげることがあったのではなかろうかとすまない気持ちになり、猫が口をきけて「ああしてほしい、こうしてほしい」と言えたらなぁ…とはじめて思った。
 もうエサのストックをきらさないように心配しなくていいし、重い猫砂を運ぶ必要もない。そして、家に帰ってドアの鍵を回す音を聞くときまって玄関に駆け下りてくる相棒もいない。
 武田百合子の「富士日記」に愛犬を車のトランクに入れて移動したために犬が死んでしまう場面があった。亡骸を葬り、土を堅く盛りつつ、百合子さんははやく土にかえれと亡き愛犬に語りかける。猫を拾って以来「これは天から私へのプレゼントだわ」と思っていたので、猫はまた天に戻ったのだと合点し、はやく荼毘にふしてあげようと思った。百合子さんの見送り方を思い出して慰められる。
 すっかり猫のいる生活が身についてしまっているので、もろもろの習慣からはそうそう抜け出せそうにありませんが、エサやりを心配する必要がなくなったので旅に出てみようかなどと楽しいことも考えてみました(あるいはセンチメンタルジャーニー?)。
 一年前からはじめた猫との共同パン作りは続けます。これは、私がパン生地を捏ねて、猫が眠りこけている発酵によいぬくい場所で一緒に生地を寝かせパンを作るという方法です。猫が添い寝をして生地の眠りを導いていたわけです。一部の愛猫家の間で好評のパンでした。いまや我が愛猫は永眠し、その眠りに一層の磨きをかけたので、私と猫、この世とあの世のコラボという斬新な形でさらにおいしいパンを作ろうと思います。


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