2004. July      トップへ

  by Ayumi NAKAYAMA


●04.07.28  太田螢一トークショー
 昨年、タコシェでフェアを行い、大盛況だった太田螢一先生。なぜか、フェア終了頃から、展示ではないイベントを行いたいとおっしゃり、先生お手製のTシャツシーズンも到来ということで、タコシェじゃトークなどのイベントがやりづらいけど、よそでなんとかできないかな?と思って相談したところ、高円寺の円盤という喫茶店兼バー兼レコード屋兼ライブスペースを使わせていただけることになった。マスターの永田さんが太田さんの大ファンで是非にと言っていただけたのだ。
 イラストの映像をスライドみたいに見せてお話をしたいという太田さんのリクエストもあり、円盤はこの機会にプロジェクターまで導入し、お話の聞き手として常盤響さんにいらしていただく交渉もしてくれた。
 で、私はというと、太田先生にプロジェクターに映す映像の用意というこれまでやったことのない作業をまかされ、内心「人を見て言ってよ〜、私の頭と技術じゃできないよ…」と途方に暮れていたのだが、そちらも、機材をお借りする見通しがつき、なんとかなりそう…。さらに先生は、話の転換時に銅鑼をならしてみたいとか、いろいろな思いつきを語り、機材と物販用のグッズのほかに銅鑼やら何やら、そんなに私に荷物が運べるか??…というくらいにアイデアを出すのだが、どこまで実現できるかは担当の私の能力次第なのでかなりあやしい…。
 しかし、今回はありがたいことに、いろいろな方のご協力を得て実現に向かっております。太田さん出演のイベントはほんとに久々。自身の展示にさえ制作に追われて来られなかったので、ご本人登場は滅多にないこと。太田さんは電話などで雑談の合間にも、絵のイメージのもとや、構図や色の構成の意図についてふとお話になることもあるのですが、ちょっとした部分にもいろいろな意匠やこだわりがあり、私だけがうかがうのはもったいないと思っていたので、ファンの方やアートにかかわる方みなさんに聞いていただきたいです! 太田さんお立ち会いの新作を含めた物販もありますし(お見立てやサイン入れなどしていただけます)、この日のために特製のおみやげも制作していただいております。ぜひいらしてください。

●04.07.23  マイライン混線
 仕事中でも、電話料金やマイライン登録についてのセールスの電話はよくかかってくる。NTTの配線がどうのとか、ADSLがどうのとか言って、電話局からの問い合わせなのかな?と思うと、そうじゃなくて業者の勧誘で、こちらの都合におかまいなく、何度も電話を掛けてくる。
 先日も「今よりとてもお安くなります。手続きは簡単ですので、申し込み書を持って担当のものをそちらに行かせて説明します」と言われ、「そうですか…」的な返事をしておいたら、さっそく担当者がやってきて申し込み用紙を出していきなり「署名と印鑑をください」と言うので、「書類に目を通さないで、いきなり印鑑を捺すなんて考えられません。それに、実際、これまでといくらくらい差額が出るか試算してもらわないと。割引率だけではピンときません」と言うと、担当者は「わざわざ出向いた僕を信頼できないというのですか!?」「普通はその場で申し込みますよ」と逆ギレし、こちらも「なんで、申し込みの主体は私なのに、私の理解や判断を待たないの。せかされる理由がわからない! いったいいくら違ううか試算できないの?」と言い返す。すると担当者は「ぶっちゃけ料金はたいして違いませんっ! でも私はわざわざこうして来ているんです」。これを聞いたとたん、私は「えーー、そうなの??」と腰砕け状態になり、やりあう気力も失せた。
 担当者は怒りに震えながら、週明けに来るのでそれまでに書類を完成させておくようにと言ったが、そんなに怒っているならもう来なければいいのに…と思う私であった。さらに彼はタコシェの電話を借りて私の目の前で、事務所に「ご理解いただけずに書類回収不可です」と業務報告をしていた…。なぜ、私がいいつけられなくちゃいけない…、それも私の電話で…いやがらせ…?。担当者が帰った後、事務所から電話がかかってきて「なぜ申し込みをしないのか」と責められたが、その執念に疲れ「申し込みませんからもう来ないでください」と電話を置くのであった。

●04.07.21  ロマンに酔う
 ロマン優光さんの初エッセイ集「音楽家残酷物語」が、ようやくできあがった。ロマンさんの原稿の受け渡しがよくタコシェで行われていたので、私も作業の経過を眺めており、入荷にはそれなりの感慨がある。
 本編はロマンさん直筆のよれよれ原稿をそのまま印刷したもの。これをワープロで清書して少し校正を加え読みやすくしたヴァージョンと年譜がついたシンプルなものだが、ある種の奇書。音楽について、恋愛について、自らの半生について、AV嬢について、思いつくままに様々なことを綴っているのだが、手書きなのにワープロの打ち間違いのように綴り違いが随所にあったり、シェイクスピアの一節からロックの歌詞までを自在に(というか気まぐれに)引用したりリミックスして、なんだかすごーくロマンチックというかポエティックになっていたり壮大だったいして、不思議な「酔い」がまわった感じ。たまに、酔っぱらいで妙に格調高いこと言ったり、外国語で語り出す人がいて、ひょっとして教養があるのかしら、でも酔っぱらいは酔っぱらいよね…、という状態があるが、それに近いかんじかも。どうぞ、興味のある方、この奇書に酔いしれてみてください。

●04.07.19  森繁
 小さい頃の日曜日の午後の楽しみはテレビで映画「社長シリーズ」あるいは「駅前シリーズ」もしくは「日本一シリーズ」を観ることだったので、当然、私は森繁が好きだったのだが、そのときすでに森繁は社長の風貌と貫禄を備えていたわけだから、その後、屋根の上のヴァイオリン弾きを引退し、日本アカデミー賞授賞式などで見かけたり、「もののけ姫」「はっぱのフレディ」などで接する森繁は久しく長老で、私もついつい脂ののっていた熟年期の森繁を忘却の彼方へやるところであった、その著作を読むことで、あの森繁とかつてのファン心理が甦ってきた。森繁という90年物差しの妙か。
 繙いたのは「こじき袋」。現在ではNGなかんじのタイトルだが、初出は新聞連載。雑種猫にクリスチャン・バッハなど崇高な名前をつけ、雑種犬たちもひっくるめてたくさんの動物を飼う、大らかさというか大ざっぱさはらしいが、酒を飲まないのにこまもの屋をしょっちゅうひらいて困るという理由で、自身の留守中に集団疎開(といってまとめて捨て)させるなど、猫1ダースよりお父さんの意見の方が重かった昭和30年代らしい大胆エピソードが語られていたり、後に先立たれてしまう奥さんや息子さんとの家族団らんが随所に出てきて、今読む
と、感慨深いし、当時のお父さん像、紳士像が現在のそれとかなり違って興味深い。そんな森繁が好きだった。そして今も。

●04.07.18  京都・自転車
  大阪でカフェ+ワークショップ空間を運営したり、編集などを行っているワークルームさんから「キョウト自転車生活」(光村推古書院)という本をいただいた。
 京都ではエトランジェだけど、地元目線に近ずいて町を楽しもうと、レンタサイクルなどを利用した、町のめぐり方を提案。モデルコースをあげたり、レンタサイクルや自転車屋さんの紹介、立ち寄りたい本屋さんレコード屋さん、映画館、カフェ、お土産やさんなどなどを案内。自動車がなくても、これなら京都をあちこちまわれそう。そうか、この手があったか! という感じで京都に行きたくさせられる本…。

●04.07.17  be found dead
  池袋、シネマ・ロサのレイトショーにかかっている短編5本のオムニバス『be found dead』を観にゆく。これは、来年の一月に上演が予定される宮沢章夫さんの芝居のプレビュー作品で、芝居が本編とすれば、その外伝にあたる(らしい)。
 たいてい、死体が発見されると、映画や小説では生前の故人について、あるいは死体をそこに置いた犯人について物語が展開され、発見者については多くを語らない。そのように物語から省かれこぼれおちてしまう、死体発見にいたるまでの発見者の日常を宮沢さんを含めた4人の監督が描いたのがこの作品集ということになる。
 上演までに4回、プレビューが予定されていて、第一回目は役者が台本を手に読み合わせをする初期段階の稽古を舞台に乗せたリーディング、そして二回目の今回が映像によるアプローチ。単に、芝居を作る稽古の過程を見せるというより、本公演までの間に時には迂回して、芝居という方法から離れ、小説や映像というアプローチで作品を掘り下げ、今風に言うなら観客(顧客?)もまた数ヶ月にわたって作品にかかわる、スローな方法で演劇を構築するという新しい試み。
 はたして、数ヶ月をかけて観客と情報を共有したり、共通認識を熟成させたり、上演・上映という形をとることで作品を修正することで、どんな演劇ができるのだろう?
 宮沢さんの方法は、私にとっていつも真摯で刺激的だ。

●04.07.16  芳名帳
 タコシェでも展示を行っているときは芳名帳を置いているのだが、その存在自体なかなか気づいてもらえないことがある。画廊と違って、くつろぎスペースやら何もない空間が少ないので、作家さんがまったり会場にいる時間がなかなか持てないため、会場やお客様の様子を作家さんにお伝えするうえでも芳名帳はとても大切だ。
 この前は小さなスケッチブックを置いておいたのだが、無地のノートはただのメモ帳にしか見えなかったかも…。というわけで、ご来場の方にお名前などをご記入いただく芳名帳のフォーマットを作ってみた。お名前、郵便番号、都道府県からの郵便番号、メールアドレスなどを記入する欄などを設けた用紙である。これまで、住所などをあまり人に教えたくない人もいるかしら…などと思って積極的に取り組んでこなかったふしもあるのだが、そういう方はお名前やちょっとした感想だけでもありがたいし、いろいろなご都合があれば記入せずにいてください。
 ご住所をご記入いただくのは、主に次回の展示などのご案内を作家さんがお出しする場合のためだが、この前、よくよく芳名帳を見ると、フォーマットが決まってないと郵便番号を忘れがちになったり、サラサラと記入した場合、数字が読みとりにくいこともあり、発送作業を考えて欄を作ってみた。ご記入いただけると嬉しい。

●04.07.15  グッズつくり
 鳩山郁子さんの展示のタイトルは新作のタイトル『MICACE』にちなんでmicace na omiceに決まり、内容がだんだん固まってきました。今回は小品をいろいろ集めた、雑貨屋さんみたいな模擬店みたいな雰囲気でしょうか…。これまでも、鳩山さんはハガキサイズの銅版画や手製の豆本などを長いこと納品してくださっていますが、せっかくの展示ということでそれプラスアルファをいろいろと用意しよう!ということになり、手分けして準備に着手しました。
 鳩山さんは8月下旬に発売予定の単行本のカバーイラストを描いたり仕上げの作業を行いながらの準備。一ヶ月強の期間で、手作り品だけで構成するのは無理があるので、いろいろな形で発注をかけたりしながら同時進行で作ってゆきます。
 鳩山さんに元の絵を描き下ろしていただき、タコシェでピンバッヂを制作したり、鳩山さんが好んで用いるモチーフであるグラスマーブルなどの雑貨を仕入れていただいたり、鳩山さんご自身もイラストをおこして数十単位のオリジナルグッズの発注などをすすめています。
 いろいろなアイテムをこの機会に作ったりご覧にいれようと、手間やコストなどもろもろのをシェアする方法を考えながらのグッズ作り。細かいものが多くなりそうなだけに、共同でグッズを用意するいろいろな方法を考えるきっかけにもなって、私にとってはメイキング部分で新たな工夫があって勉強の日々です。

●04.07.11  たつ鳥、あとをにごさず
 弥生美術館に石原豪人展を観にゆく。連日の暑さで私はすっかり元気になり、最近では一駅どころか、炎天下を2、3駅歩いてしまう。この日も日暮里から千駄木、根津と歩く。
 途中、トイレに行きたくなり、仕方なくファーストフード店に入ると、私同様にトイレ目的で入店したと思われる男の手つかずの飲み物とカバンのみの席が…。男が出てくるなり私はトイレに立ったが、どんなに焦っていても、忘れてならないのがトイレットペーパーの確認である。ホルダーを見ると、紙はなく、予備のホルダーにも紙はない。水槽の上のカゴ、洗面器の下の棚にもトイレットペーパーはなく、ふと便器を見ると、手ふき用のペーパータオルが浮いている…。「あの男め…、紙がないからと水溶性でない紙を流して!」。便意とともに怒りもこみあげてくる。街頭でもらったサラ金のティッシュではトイレに流せないものもあるので、私は解放しかけた肛門を再びひきしめ、店員にトイレットペーパーがない旨を報告。その途端、件の男は、飲み物を一気飲みして脱兎のごとく逃げて行くではないか。許せん、許せん! 身勝手な男。
 というのはさておき、豪人先生の展示は、初期の文藝ものの挿絵から、少女怪奇もの、似顔絵、図解などなど、どんな注文にも応える先生の絵師ぶりが伺えた。特に、晩年、サブカル雑誌などでイラストを描くようになってから、はじけた感じで生涯現役、最前線といった印象。
 美篶堂ギャラリーに寄り、空中線書局の手製本展も観る。本だけでなく箔押し用の金属板も展示されていて、本にまつわる道具の美も味わう。間さんはコンピュータで版下を作成しながら、それを元にしてこうした昔ながらの方法の版をおこして本を作っておられる。そのギャップもまた面白いし、製本の可能性を考えるヒントになるように思う。

●04.07.08  超短編の彼方には
 ロマン優光さんの交流会に続いて、中原昌也さんのサイン会の日程も決まる。ここ一ヶ月で対談集一冊と小説二冊の三冊の本が出る中原さん。こないだ出た「キッズの未来派わんぱく宣言」では、現実なんだかお話なんだか、原稿なんか書きたくない…というタルさが、意識を巡り巡って、ついには亡霊みたいに原稿用紙から虚構となって立ち現れる…みたいな、なんともいえないトリップを味わう感じなのだが、今度の「待望の短編集は忘却の彼方へ」は二行の超短編!?が収録されているとか…。晩年のベケットのように、そぎ落とし、そぎ落として、ついに、超短編の境地へ? そしてその超短編のさらに先にある文学とは…? 私がいまもっとも気になる作品の行方です。どうなるのでしょうね!?
どうぞ、サイン会には皆さんいらしてください。

●04.07.05  粘土作業お休み
 先月、逆柱いみりさんから自作キャラの手作りフィギュアが届き、今後毎月、新しいキャラを足してゆきたいという提案をお受けしていたのだが、なんといきなり先生は手指のツメをケガしてしまい、しばらく人形製作に支障をきたすようになってしまった。というわけで、今月は急遽、絵を放出! 「MAMAFUFU」や「ネコカッパ」の口絵をはじめ、映画の宣伝のために描いたイラストなどたくさんタコシェに送られてきました。B5版以上の大きさでオールカラー、お値段は3000円から。おケガは心配ですが、ファンにとっては人形あり絵あり、のヴァラエティに富んだ内容になりました。

●04.07.04  ガッツ石松をリスペクトする
 はなわがガッツ石松をネタにしているが、本の整理をしていたらガッツの自伝『抱腹絶倒 ガッツ石松の人生タイトルマッチ』が出てきたので、改めて読み返してみた。内容はざっと、悪ガキ時代、下積み時代、チャンピオン時代、芸能界時代+女遍歴に章立てされていて、これによれば、ガッツは小学校5年生で童貞を失い、幼くして人妻に「おっぱいをもんで」と誘惑されたり、幼女達も幼いガッツにみな身を委ね、拒む者はいなかったという。さらにチャンピオン時代は遠征で世界の女の味見もしたらしい。小学生の頃のガッツの写真を見れば見るほど、これに関しての疑いはつのるが、そんなまゆつばものを差し引いても現役ボクサー時代の記述は格好いい。世界チャンピオン、芸能界での活躍、映画製作・監督・主演、国会議員への立候補…、こうしてガッツの半生を振り返ると、男の夢をどんどん実現しているようで、偉大な気がしてくる。そんな偉大なガッツをどうして笑えよう。

●04.07.03  お買い物やら展覧会やら
 店に前から欲しかった棚を入れようと家具店に行ってみたが、記憶違いか、思っていた値段の倍の値札に考え込む。他にも調べて同じくらいの値段だったら買うことにして退散。
 吉祥寺・ギャラリーfeveで、みつばちトートとYEN WAREの布芸展を見る。みつばちトートは太田螢一さんのトートバッグをタコシェで作るときに御世話になったセミオーダーのトートバッグ屋さん。(この夏、品切れだったカラシ色のトートを増産していただきます!)職人さんの手仕事で作られる、月替わりで色の組み合わせが変わるトートバッグをオンラインで販売してます。今回の展示では、料理研究家の福田里香さんのご実家にストックされていた印花布という中国の藍染めを底布に使ったトートと陶器が展示・販売されているほか、雑誌・民藝のバックナンバーが展示されていたり、民芸にちなんだ小冊子が作られていたり…。藍染めの渋さでどこか抑えが効いているような気もして、ふだんあまり買わない濃いピンク色を購入してみました。
 ちょうどこのギャラリーの手前、花屋さん「四ひきの猫」の脇に、自転車に木箱を積んでケーキを売る小さな屋台トレプチが出ていて、そのちょっと小さめでかわいいおいしさのファンなのですが、今日行ったときは売り切れで残念でした。TOM'S BOXに寄って荒井良二さんの展示を見て、タコシェへ。


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