2003. Nov      トップへ

  by Ayumi NAKAYAMA


●03.11.27 まとめ日記2
■振込に郵便局へ行く。振替票をまとめて出すと、窓口のベテラン女性が対応してくれる。ひとつひとつの手数料をそれぞれの用紙に記入し、電卓で振込額と合計し計算。さらに、合計額から、今度は手数料や振込額を引いて別の計算方法を使って検算。用紙を機械に入れて操作している間に、釣り銭を用意。すばやくお札を取り出し数え、さらに数え直しながら、お札の向きをすばやく全部揃えて小銭とあわせて皿に置く。一連のスピーディで無駄なく十分な技を堪能した。

■絵描きや音楽家になるにはそれなりの才能が必要と言われるが、それはアーティストに限らず、もしかするとパン屋さんでも本屋さんでも喫茶店の店員でも、その道の才能があるような気がする。
 先日、ある編集者と話していて、「書店員の資質は編集者の資質に似ている」ということに。編集者も書店員も、コミュニケーション力、コスト計算の能力、事務処理能力、批評眼、それなりの文章力、作家や作品をひきたてる力、作品を構成する編集能力などなど、バランスよく持っていることが大事で、決して突出してなくてもいいけど、どれかしらが大きく欠けていてはならない、と。確かに何がすごいというわけではないけど、それら全部が揃った人って、意外と少ないと思う。アルバイトの採用をしてみて、小売販売の面でしか書店員の仕事がとらえられていないような気がした。本屋さんて何をしているか、はたからはわかりにくいのかもしれません。

■11/24 九段社会教育会館に日本手づくり絵本ネットワークの絵本の展示を見にゆく。美しい豆本制作で著書やNHKのテレビ番組の講師などもなさっている田中淑恵さんのご案内で、田中さんの新作も展示されるということで伺った。田中さんの豆本はどれも高級感あふれる誂え品というかんじなのだが、よくよく聞くとアクセサリーのビーズや金属部分、お菓子の包装紙やリボンなどを再利用していて、思いがけないものを使っていて驚かされる。今回も猫のシルエットを箔押しした表紙があって、そうしたものを職人さんに発注すると結構な値段になるので、「どうやって箔押ししたのですか?」とたずねると、猫の本を作るにあたって、何年も捨てずにとっておいた包装紙の出番がようやくまわってきて…ということであった。優雅な豆本はしゃかりに作るのでなく、常日頃から材料を気に掛け集めゆったりとした時間の中で作られるのだな、と感じた次第。
 ほかにも、布で作った本、竹皮で作った本などあって、奇を衒ったわけでなく、子供や家族を喜ばせるために作られた個性的な絵本に、一般流通とは違う形や個性をたくさん発見しました。

●03.11.21 まとめ日記
 はやいもので11月も終わり。10月からの日記を日付は忘れたけどまとめて、ダイジェストで書いておこう。

■東京古書会館地下ホールで10/20〜22に行われた、アンダーグラウンド・ブック・カフェへ行く。新しくきれいになった古書会館を利用しての、古書店さんたちの展示・販売会。ゆったりした空間で面出しした本をゆっくり見ることができて、出張コーヒー店のお茶を飲むこともできる。武井武雄のポスター、布作品なども見ることができて楽しい展示だった。同時開催の「ブックデザインの愉しみ展」も、参加古書店の有志による展示で、北園克衛や佐野繁次郎のデザインの本から、戦前のぶ厚い立派げな本ばかりを集めた一角があったりで、そのセレクションも選者によってまちまちで面白かった。デザイナーで選ぶのでなく、無名の人の仕事の仲から形本位で選別するところなんて古書店さんらしくて、感心してしまう。

■カレンダーや手帳の季節。2003年は、いただきものの書店用の手帳を使ってみた。手帳の欄外には、季節や時期を先取りして、行楽シーズンの前には旅行関係の本を…みたいな注意が書かれていたり、巻末に各出版社の連絡先が出ている、便利な一冊である。で、来年もそれを愛用するのかといえば、そうでなくて、専門家の手帳って面白い!と思ったので、2004年度用には歴史手帳を用意してみた。これは日本各地のお祭りの日程がわかるほか、古今東西の年表、王や天皇、年号の一覧があったり、仏像の部分の解説なども出ている。なので、古いものを見たりしてそこに来歴が書いた記述を読んだとき、同じ時代の別の国ではどんなことがあったのかなどをすぐに調べることができて、便利です。「シベリア鉄道」が1902年に開通したこともわかり、まさかこのときは約一世紀の後に水野晴郎が「シベ超」を撮るなんて誰も思わなかったよね…とか、いろいろなことを考えて手帳を眺めることができるのです。
 ちなみにタコシェで毎年、人気なのはウーマンズ・ダイアリー。女性に便利な施設の案内があるほか、ところどこにコラムや様々な女性の家族・仕事・恋愛などなどに関する本音やつぶやきが出ていて、お話相手のような一冊です。

■DMを置きにまわって、高円寺の円盤に。昼から宵の口までOz diskの田口さんがマスターをしているのだが、どういうわけか、これまで私が訪ねたときはイベント中だったり、お留守のときばかりで、前から「コーヒー淹れてね!」と注文していた?マスターのコーヒーをはじめて味わう。豆がいいのか(高円寺のジャンゴコーヒーの豆)、マスターの腕がいいのか、おいしい。で、コーヒーを飲みながらマスターと話をする。お、なんか、喫茶店らしい光景。
 田口さんはたくさんのCDをプロデュースしてきたけど、誰もが簡単にCDを作れるようになり、その方法が当たり前になってしまった今、改めて、聴き手がもうちょっと厳粛な?というか、聴くための空間や時間を準備して音に向き合わなくてはいけないレコードというメディアを意図的に使ってみたいという。無理にボーナストラックなどつめこまずに、絞り込んだ曲数と曲順をじっくり聴かせるレコードが、作り手の思いに近い形だったりする、ということか。
「でもね、プレーヤー壊れたままで、新しいの買ってないの」と言ったら、最近、ごくごく簡単なプレーヤーにスピーカーがついたのがあるから、それで十分、とのこと。そうか、レコードとういと、すごいオーディオマニアみたいなのを想像してましたが、それでもいいのね。

■レコードといえば岸野(雄一)さんが、umbeltipoとoorutaichiのレコードをプロデュースした。「なんで、せっかくいい曲なのにレコードにして聴きにくくするの??」と言っても「レコードで出したかったから」と、ここにもいたんですね、レコードの人が。
 リリースを見たら〈これは音楽業界に対する挑戦状だ〉みたいなことが書いてあったので、「挑戦状はちゃんと受理されたの?」と尋ねれば「う…ん、やりすごされたかも?」。「誰に、どこに向けて挑戦状を出したつもり?」と訊けば「音楽業界、それに聴き手全般だね」と。そこで「お客さんにまで挑戦状出したの? 挑戦状をお金払って買う人って聞いたことないよ。挑戦状は売りものとは違うんじゃない?…」と言ったら、「そのフレーズ、いただいていいかしら?」。岸野雄一、とことんタフガイである。最近では、寒くなってきたというのに手渡しビラ配りに燃えているらしい。ついに、挑戦状を自ら届けに行き、手渡ししているのかと思うと脱帽する
※oorutaichiのレコードお求めの方には、岸野さんのご厚意でおまけcd-rをお渡ししてます。挑戦状と真心こめたおまけの奇妙な食い合わせをお楽しみください。

■地元・金町で自転車をころがしていたら、古本屋さんをみつけた。整頓された書棚が見えて、入ってみると、ジャズ関係のレコードや本とともに、野鳥を中心に自然関係の本がたくさんあり、私の好きな中西悟堂(野鳥の会の創始者)の古い本も何冊かあって、コトリストとしては胸おどる思いで、本に見とれながら主はどんな人かな?と気になってチラチラと様子をうかがっていたら、心得たように声を掛けてくれて、野鳥話で盛り上がってしまった。ご主人は、23区内とは思えない広さと自然をたたえる地元・水元公園で自然観察を長年ほど続けており、私も探鳥会に誘っていただいたのであった。一人でいつも公園に鳥を見にいっていたけど、こんな出会いがあるとは。公園デビューだ。
■休日の朝7時すぎ、公園で集合して野鳥観察。鴨たちの群れ、シジュウカラ、モズ、オオタカ、キセキレイ、ジョウビタキ、カワセミなどを見る。なんで鳥を好きなったか、こんな趣味にはまるのか、よくわからないが、モズの大きめな頭がかわいいとか、多くの鳥たちが小さい体で外国と行き来する様とか、すべてが感動。さらに、野鳥観察の後で、在野の樹木研究家Nさんに、樹木のことたくさん教わり、興味がつきない。ついに地元の自然観察クラブに入会した。


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