安田謙一「ピントがぼける音 out of focus, out of sound」をランダムに読む。楽しい本に説明や感想なんていらないけど、とにかく朝まで読んでしまいました。幼い頃、父と一緒に観ていた時代劇「素浪人花山大吉」。いまでも蜘蛛を観ると品川隆二を思い出す私ですが、亡き父以外にその楽しさを語る相手がいなかったのに、この本は大吉への愛もいっぱい。心の中にたまっていて発露を失っていた私の大吉愛も昇華され、知らず知らずセラピーにまでなる一冊です。
急ぎの必要があって、太田螢一さんからフランスの小出版LE
DERNIER CRIの本をいろいろお借りする。これまでにもLE DERNIER CRIの本はいくつか見てきたけど、以前から、代表者のパキートと親交のある太田さんはいろいろな出版物を贈られていて、私の見たことないものもお持ちなのだった。
LE DERNIER CRIは本や、版画、映像などいろいろなものを出しているのだが、本の多くはセリグラフとオフセットを使った1000部ほどの小出版。毒々しいくらいに鮮やかな色が、ときには昔のメンコみたい(わざと?)版ずれしたまま重なりあい、赤と青のセロハンメガネで見る立体視の印刷物みたいだったり、いろいろな色や質の紙にセリグラフ、オフセットを組み合わせた印刷の紙を力任せに閉じて裁断してしまったような、ワイルドさに、次のページはどうなっているのかな、という単純なわくわくがある。
しかし、今回、LE DERNIER CRIの印刷を見てたら、太田さんは単に彼らに素材として絵を提供しているだけでなくて、LE
DERNIER CRIの仕事によって、手刷りや以前からの印刷の面白さや技法をますます確信したんじゃないかと感じた。自らシャツや文具などへプリントするその方法は、LE
DERNIER CRIにすごく通じるようで、10年ほどの親交で互いに響きあう活動が行われているんじゃないかと思うのであった。