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- ●03.05.30 おんなのからだは…
- 数日前、出先で用事を済ませた私は、ふと、知り合いがそのあたりに住んでいることを思い出した。お礼をしたいこともあって、ちょうど手帖に名刺を入れっぱなしにしていたので、急ではあるが電話を掛けてみた。
- 「もしもし〜元気?」「ああ、元気。こないだは行けなくてごめんなさーい!」「いいのよ、あのね、私、今、近所にいるの!」
- 「…え、そういうことなの…」
- このとき、電話の向こうの声は一転して、暗く落ち込んだ。30才を過ぎた男がいったいどうしたらこんなにも落ち込んだ声を出せるのか、というくらいに落ち込んだ。
- そして、ハッと気づいた。もしや、私はストーカーとか変態に間違われているのではなかろうか、と。確かに、私だって、知り合いのオヤジが「いま、近所にいるんだよ。(ほら、カーテンをあけてごらん)」といきなり電話をかけてきたら、「え!」かもしれない。いつの間にか、私は変態オヤジになっていた。この年にもなると「近くにいるんです」と言ったところで、「どうしたの…?」とか「どこにいるの?」などとは言ってもらえず「え…!」の一言なのだな。自分をほぼオヤジだと自覚しなくてはいけないと認識させられた出来事であった。
- 最近出た寺山修司の文に宇野亜喜良さんが絵をつけた「踊りたいけど踊れない」(アートン)という本の中には「女のからだは お城です/なかに一人の少女がかくれている」というすてきな言葉があります。しかし私はこの一節を思い出しながら、私の中には一人の少女ではなく、一人の変態オヤジが隠れていたのだと思いました。からだもお城じゃないかもしれませんが、心にオヤジを飼いながら、この先もずっとやってゆくつもりです。
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