Diary May.2002  トップへ

by Ayumi NAKAYAMA


●02.05.31 ワールドカップ開幕と梅
 昨日は何か機器の調子が悪く更新ができませんでした。
今日はワールドカップ初日。近所の弁当屋でも韓国風鯖焼き弁当を売り出していたり、スーパーでも韓国コーナーと称していつものキムチコーナーを盛り上げているのでタコシェも日韓共催ワールドカップにあやかって何かをしたいのだが、何もない…。在日歌手の川西杏さんCDをプッシュしようと思うのだが、追加がまだなので大々的に売り出せないし。
 時期的に私が盛り上がっているのは梅。版元ドットコムの平台にも梅本を紹介しておきました。タコシェの本とは関係の薄い個人的なジャンルです。
http://www.hanmoto.com/honya-gai/index.html

●02.05.29 西川きよしな一日
 今日も振込だとか通販の処理だとか商品リスト作りをしているうちに時間が…。小さなことからコツコツと、と西川きよしは言うが、考えてみると小さなことしかしないで一日が終わってゆく…。フェアの予定を立てたり、グッズ作りの相談などもしなくてはならない、商品の検索機能も作らなくてはならないのに。あと、DMの配布もしたい。DMの配布はたいへんだが、ああいう、確実に仕事が片づいてゆくという達成感のある肉体を使う仕事は楽しい。しかもお店などを見てまわれるし。ああ、街に出たい…。明日はフェアの様子の画像なども出してみたい。

●02.05.28 大型試聴機がついに
 そういえば、昨日Oz diskの田口さんがみえて、CD200枚を収録して、ジュークボックスみたいにしてそれらを聴くことができる機械をタコシェに置いていって下さった。
 以前に、「家では使わないのでタコシェに置きませんか?」と申し出てくださって、イトーは私が買ってきて店に設置した換気扇のような形の試聴用プレーヤーをショボイと笑っていたので(ないよりずっとよいでのに!)もう二つ返事で「是非!」なんて答えていたが、あくまで田口さんのご好意なので、いつという約束もせず催促もせず静かに待っていたのであった。そうして待つこと数十日、機械をカートに乗せて田口さんはやってきたわけである。
 200枚CDが入るというわりには小さいがタコシェに置くにはちょっと大きい。6月で、タコシェも9周年だし、少し模様替えしてきれいにしてこのCDプレーヤーを置きましょうか。
 そういうわけで、この機械にはOz diskをはじめとしてインディーズのサンプル盤を入れて、アーティストや音の紹介に活用させて頂こうと思う。お楽しみに。

●02.05.27 休みあけは忙しい…。
 版元ドットコムのため梅干し本のレヴューを朝まで書いて(そんなものを誰が喜ぶかは不明)、朝一で川崎さんのデータを印刷所に届けて無事入稿。秋葉原でプリンタドラムやファックスのインキを買い、そのままお茶の水に出て本を仕入れて食事。店に着くと、たまったメールチェックや荷物の発送などですぐに時間が過ぎてゆく。
 土曜日からはじまった豊浦正明氏の展示は小さな作品がすこし追加されて、平台が賑やかに。箱の中に写真とオブジェを入れたお宝箱?が人気のよう。

●02.05.26 和綴じ製本を行う
 製本のワークショップへ。様々なスクラップの実物を見たり(東京創元社が復刻したン十万もる江戸川乱歩のスクラップブックなど。自分に関する新聞、雑誌の切り抜きを丹念にスクラップし、自分の名前の部分や写真に赤鉛筆で印をつける乱歩の自分愛が激しく伝わる…)、和綴製本を実際にやってにみたり、簡単な並製本の方法を見たり…。そうして昼から夜までがあっという間に過ぎる。夜、閉店後のタコシェに立ち寄り、川崎タカオさんのパンフのためのデータをピックアップ。

●02.05.25 ポエトリィ・リーディングに酔う
 辛酸なめ子こと池松さんに声を掛けてもらい、皆さんと一緒にポエトリー・リーディングを見学に。会場は、おしゃれな若者たちに溢れた街のカフェで、すでに多くの観客とテレビの取材班が…。入り口では、スタッフがテーブルを出して、オーガニックのお惣菜やお菓子を販売したり、一角では地域貨幣の窓口も出ていて、何かニューエイジなかんじ。
 我々の目的はオープン・マイクといって、希望者にマイクが解放され、のど自慢のように(でも途中で鐘は鳴らない)順番にポエトリー・リーディングを行うプログラム。
 「みんなとひとつになるために…」、「今、アフガンで苦しんでいる人たちのことを思って…」あるいは「世界中の人たちの上に美しい虹がかかることを願って」それぞれの思いを参加者は訴え、その模様は2台のカメラによって撮影され背後の壁面にオーバーラップして写し出される。回想シーンのように動きに微妙な処理がなされていて、中島みゆきの歌を聴くだけでプロジェクトXな気持ちになるように、もうそれだけで何かジーンとするモードに入る気構えが生まれる。
 目を綴じて語るように「ふるさと」を歌う国立大学の女子学生、戦時中の母子の苦境を語る中年女性、うれしいときにはいつでもどこでも歌うことを呼び掛けるギターの青年、みんなが繋がることを求めて自分の言葉でマイクに向かう。
 人前に出て伝えたい切実な訴えのない私はからっぽの存在であるが、そんな私にもたぎる言霊がぶつけられる。もう、それは激しく。かつて片岡鶴太郎が煮えたぎるおでんをのみこんだように私の中にも煮えたぎる言葉がどくどくと入ってきたわけである。あるいは、はじめて強烈な蒸留酒を飲んだすきっ腹の未成年のように、私は酔った、言葉に酔った…。そして今も二日酔い気味…。 

●02.05.24 不思議な掘り出しものたち
 明日から豊浦正明氏の写真展なので、今日はこれから準備。作品展示のために倉庫に置いてあるケースを利用することを思いつき、イトーに出すように頼んだ。イトーはケースを出そうとして、周りを片づけるうちに、不思議なものをたくさん発見した。アラン・チャンがデザインしたアンティークな雰囲気の連結式茶筒に入った中国茶、店内装飾用の飾り、ぼろぼろな鳥の人形、紙粘土で作られた手作りキャンドル立て、そしてsizuka kudohと印刷されたイラスト入りタイル…。中にはなぜあるのかわからないものもある。今日は日記を書いている時間が足りないのでshizukaタイルをご覧に入れます。男性の顔の一部が描かれておりshizukaというサインのhが鼻を描く線と一続きになっています。

●02.05.23 カフェ鑑賞のツボ
 カフェが流行である。もちろんタコシェでもカフェ本を置いている。といっても女性誌で紹介されているおしゃれなカフェとはちょっと違った味わいカフェを取り扱ったものに限定しているつもりだが。
 しかし、雑誌などを見ていると、カフェはあまりに雰囲気で語られているような気がしないでもない。
 というのも、いつも気になってはいたのだが閉店時間が早いせいか、夜通ることの多いその通りにある喫茶店に、たまたま昼間通りかかったので入ってみたのであった。そこで紅茶を頼んだとき、銀のスプーンとミルクピッチャー、トレイが出てきた。使いこんで黄色味の出た銀器である。ちょっと嬉しい気分がした。
 思いおこせば、大学に入って間もなく、「僕も編集してるんだけど、読んでみて」と、「突然変異」というヘンな雑誌を見せられ、「ここが僕の組んだ特集、いいでしょ」とロリコンページを示されたことで、私はロリコン趣味とかロリコン人間というのを初めて直接見たのだが、その後、先輩のためにスクールブラウスを調達して差し上げたことから、お礼に銀座でご馳走していただくことになったのである。
 先輩は資生堂パーラーでケーキをご馳走してくれたり、やけに大人びた喫茶店に連れていってくれて、銀のスプーンやコーヒーカップを眺めて、「いいね、銀は」「noritakeだね」」などと言うのである。何も知らない私は「銀? どうして銀だとわかるんですか?」「ノリタケって?」という調子でいちいち質問する。先輩は「ほら、まずここにsilverって書いてあるでしょ。それから…」とレクチャーする。そうして私は一人のロリコンによって、喫茶店とはコーヒーやお茶を飲んで談話するだけでなく、出された食器の贅沢を堪能し愛でるところでもある、と知った。そんなわけで私の中では「突然変異」と銀のスプーン、つまりバッドテイスト&アブノーマルと上品&喫茶が矛盾なく繋がってしまったのだった。余談だが、同様に、横町の性科学者・松沢呉一の古本漁りのお供の途中で豆本専門店に立ち寄り「いいよね、武井武雄って」という調子で、その魅力を教えられたことから、性風俗と武井武雄も同列にインプットされてしまったのである。
 先週入った喫茶店の銀のスプーンにそんな喫茶店事始めを思いだし、私のカフェ鑑賞ポイントに銀を加えておくことにした。雰囲気に流されないカフェ鑑賞…?。さて、あなたの鑑賞ポイントは?

●02.05.22 全国書店の旅
 遠方の書店の方がお二人(それぞれ違うお店)の方がタコシェに見えてご挨拶してくださった。お話を聞いたりして、私も全国書店の旅に出てみたい気分になる。京阪神はともかく、そのほかの地域になかなか行くことがないので、旅行しながら書店をまわってみたくなる。本などで見ていて一度訪ねてみたいなぁ、という書店があるのです…。
 日記は何日か分まとめて書きました。

●02.05.21 ポエトリー・リーディングの誘い
 タコシェに辛酸なめ子先生がみえたので、「最近、ポエトリー・リーデイングをやっているんですって?」と聞くと、ちょっとはじらった後で、「中山さんも、いかがですか」と誘われた。
 実は以前に私が即興で書いた詩を俳優が公演会場で読むという余興を行ったのだが、全然受けないし感動も与えず、すごく寒かったので、それを思い出し、白状すると、「そういうのがいいんです。その寒さが味なんです」という。というわけで、どの程度、どのように寒くなればいいのかを理解するために、ポエトリー・リーディングを見学しにゆくことにした。やるかどうかわからないポエトリー・リーディングのために今週末は詩のイベントに行くことに。その様子は週明けにご報告しましょう。

●02.05.19 御輿問題は続く。
 御神輿のことを考える日々。最近では、三社祭や鳥越神社のようなメジャーなお祭りは別として、下町でも御輿の担ぎ手不足が問題となっている。若い担ぎ手がなかなか集まらないようである。
 しかし、どんな時代にも、ヤンキーが日本の人口のある一定の割合で存在するように、御輿に熱くなる人間というのは潜在的にかなりいるのではなかろうか、というのが私の睨むところである。
 つまり担ぎたい、と、担いでほしい、がうまく出会えないところに、御輿の担ぎ手不足の原因があるのではなかろうか。
 新しくマンションに越してきた住人などは、町内会とは別にマンションの自治会に入ってしまい、町内の動向がわからず、ちょっと担いでみたい、という気持ちを放置しているという。
 タコシェのある中野では祭りの時期には、商店街にたくさんの張り紙がされて、「御神輿を担ぎたい人集合」的なキャッチとともに、ハッピなども町で支給され、どこそこに何時に集合してください、というように、誰もが気軽に参加できそうな呼びかけが目につく。住人はもちろん、仕事場が中野にある人、何らかのゆかりのある人なら誰でも参加できるのである。これはとてもいいアイデアのように思う。
 御神輿の担ぎ手不足というのは最近の若い者たちの問題だけではなく、古くからの住民が以前からの共同体のあり方を手直ししてないことからくる問題でもあり、新しい町や住民の在り方にあわせたお祭りを考えてゆくことが大事なように思う。そして、こういうコミュニティの問題は、日本全体の縮図のようにも思えるのである。

●02.05.18 野次馬体質
 鳥越から浅草方面に向かって歩いている途中で、路地の彼方に御神輿をみつけたので、走って御神輿に追いつき、知らない町内会の方々にまじって手拍子をして祭り見物。御輿を担ぎたいとは思わないが、御輿を見たり掛け声をかけるのは大好きなのである。野次馬根性丸出しというか。
 仕事中でも、お使いに出た店員が帰ってきて「外で男と女がつかみ合いの喧嘩をしいて、男が女の首をしめて女はタクシーに乗ろうとしてタクシーの運転手が…」なんて聞くと、「現場はどこ?」と聞き出して、走って見に行ってしまう。町でも喧嘩があると足をとめて見守らずにはいられない。
 それから駅や道などでケガ人や病人が出たときも現場の仕切りをせずにはいられない。ほかの野次馬の皆さんに「ここは車道で怪我人に二次災害が出ると危ないですから、すこし歩道に寄せましょう。はい、そっとね」とか言って寝ている怪我人を安全な場所に移動したり、「救急車は呼びましたか?」と確認して、女子高校生が「はい、私が連絡しました」と答えると「えらい!」。さらに救急車が見えると「はい、車を誘導しましょう。運転手さん、こっちー」と叫んで、野次馬たちと一緒に手を振る。そういうことをやってしまうのです。そうやって救急車が到着して、隊員にバトンタッチすると、現場からフェイドアウトする。なんか、やってしまいます。

●02.05.17 御神輿ともんじゃはわからなくていい
 あいにくの空模様で、今日からはじまる三社さまのお祭りのことが心配である。私は御輿を担いだりはしないのだが、それでも三社さまのときは仕事の行きか帰りに立ち寄って、御神輿を拝めれば、なんとなく「これで一年安心」みたいな気持ちになる。
 知り合いの出版社にも、最近、御神輿を担ぎはじめた人がいて、三社さまという大イベントに参加できるとあって、紅白初出場の歌手のように気合いが入っている様子。
 私は知らなかったが、三社さまの中でも、宮出しは神聖にして最大の山場で、許しを得た担ぎ手のみが立ち会うことができる檜舞台という。これまでは入場許可証が配布されていたが、偽造騒ぎが起こったこともあるくらいの選ばれし者達の晴れの舞台、エリート・オブ・御輿の集う場所だったのである。
 でもって、御輿が出される段になると、たくさんの担ぎ手がわれもわれもと殺到し、担ごうとしたり、乗ろうとしたりで、卵子に群がる精子のようにたいへんであるらしい。ときとして、大けがをする人が出るそうだ。岸和田のだんじりとか諏訪大社の丸太に乗って崖をくだるお祭りなどは危険なことでも有名であるが、三社さままでが格闘技のように危険な祭りだったとは…。何がそこまで人を熱くさせるのか。
 ところで、私はかねがね、御輿はなぜ、進んだかと思うと戻ったり、意味なくクルクル回るのかと思っており、御輿をみながら「お、進んだと思ったら、戻りやがったよ。出たり引っ込んだりどっちに行きてえんだ、おい、はっきりしろ」と心の中で野次りながら見ていたのだが、最近、ちょっとその疑問がとけた。
 先の担ぎ手ビギナー嬢によれば、宮入りが近づけば近づくほど御神輿との別れを惜しんで戻ったり回ったりしてしまうというのだ。御輿とのスキンシップを楽しむというの?
 さらに、なだいなだは「ちくま」に御輿について次のようなことを書いていた。御輿の掛け声が「わっしょい」から「セヤ」に変わった頃から、担ぎにパワーがなくなり担ぎ手の歩調までもが揃いだし、御神輿が決まったルートを決まった時間で通るつまんないものになってしまったと。行き先がわからないからこそ、御輿同士がかちあって喧嘩御輿になったりして、面白さが倍増したのだとか。
 東京の下町に生まれ育ちながら、御輿ともんじゃはどうしてハッキリしないんだ(もんじゃは生なんだか焼けたんだかがはっきりしなくてスッキリしない。これもやっぱり「おい、焼けたんだかどうなんだかハッキリしてくれよ、煮えきらねえやつだねぇ」とか言いながら食べる)と思っていた私であるが、確かに、御輿にあっさり素通りされてしまったら悲しい。もんじゃにハッキリされたらもんじゃでなくなる。
 御輿ともんじゃ…この二つはわからないほど、いいようである。

●02.05.16 キティちゃん列島
 以前、辛酸なめ子こと池松さんのお宅におじゃましたときに、サンリオが発行する「いちご新聞」という商品情報を満載した新聞を見せてもらい、その中でキティちゃんの様々なヴァリエーションがあるのを知って驚いた。
 例えば秋田にちなんだ「なまはげキティちゃん」。キティちゃんがなまはげのコスプレをしているもの。また、さらに進んだ、北海道の「まりもキティちゃん」。これはコスプレを通りこして、ほぼ、まりもと一体化したもの。原始の時代にはあらゆる事物に精霊が宿るとされていたが、殆どそれに近い状態で、日本国中あらゆるところにキティちゃんが宿り出したのである。Jリーグが地域に密着することで盛んになったように、キティちゃんも同時期、地域に密着することにより新展開を遂げたといえよう。
 先日もおもちゃショーに行ったとき、かつて様々なキャラクターの立体化や商品展開を行う会社で仕事をしたことがあるミヤタケイコさんは、彼女が携わったころはまだキティちゃんは不可侵なもので、コスプレなどのアイデアも採用されなかったという。
 しかし、ショーで我々が見たものの中には、円柱形のクッションになったキティちゃん(円柱形のクッションにキティちゃんがプリントされているのでなくキティちゃんそのものが完全な円柱形に姿を変えていた)のように、その原型がわからないものすらあったのである。
 中でも驚いたのは、テディベア100周年記念名古屋地区限定三都キティ。
三体のキティちゃんが、テディベアのコスプレをしているのだが、キティちゃんの着ているテディベアの生地はそれぞれ、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の家紋を散らした金ぴかのもので、信長模様のキティちゃんはベアの耳両方に般若の面をぶらさげ、秀吉のは猿のぬいぐるみ、家康はしゃちほこをそれぞれつけていたのである。もう、キティちゃんなんだかテディベアなんだか名古屋なんだか戦国武将なんだか、よくわからないブレンド具合である。
 今もっとも過激なキャラクター、キティちゃん。目が離せない。

●02.05.15 はじめてのDM
 今日も朝一で印刷所へ行き入稿。
今回のDMは川崎タカオさんにイラストをいただき、店員の濱岡が初めて作るものなので、試行錯誤が多い。
 イラストのサイズやら締切を伝える、必要なデータなどを作ってレイアウトする、入稿に適した形にデータ処理する、そういう一通りのことでも、うまく用件が伝えられずにちょっとした行き違いが生じかけたりして、そのつど注意しなくてはならない。
 私は、どちらかというと、まず店員にやってもらって、わからない部分を質問してもらって一緒に考えたり教え、不都合が生じたら修正する、という方法をとりがちなのだが、今回のようにイラストを描いてもらう場合、描いていただいた後に不都合が生じて描き直しなんてことになってはまずいので、こちらも神経質になって、どんなことを川崎さんに話しているのかと聞き耳を立てたり、いちいち報告させてしまった。
 レイアウトでも、アーティスト名と店のロゴの強弱が同じくらいだったりすれば、内容の重要さに従って強弱をつけ直してほしい、といったやり直しが何度か生じる。
 そんな中で、タイトル「川崎タカオ原画展」のすぐ下に入っていた最初のコピー?は「若手イラストレーター川崎タカオの原画展」というようなベタな、というかひねりも何もないものであった。私は「これは展示内容の説明にもなってないし、コピーともいえないよね…。例えば、これと同じ線でゆくと中堅カメラマンの紙やき写真展とかいう文句になると思うけど、そんな風な宣伝文句を見て、行って見る気になる〜? もっと作品の雰囲気が伝わるものを考えてよ」と、殆どお局のような態度ですが、注文をつけました。                            そうして考え、川崎さんのご意見もうかがって決定した文句は…
「ゆるいロマンを描く男、川崎タカオのジェントル・ドリーミィ・ワールド」。うん、なんとなく、そんな気がします。
 みなさんは実際の作品とこの文句を比べてみて、どう思われることでしょうか。あるいはこの文句から想像する作品は…。
 DMは来週あがります。そのうちDMの画像もアップします。

●02.05.14 畸人の館が気になる
 筑摩書房に行って目録をもらったり、おもちゃ問屋街を歩く。のんびりしたおもちゃ問屋街もお宝ブームやフィギュアの台頭でここ何年かでずいぶん様変わりした印象を受ける。
 店に出て太田さんのグッズのための連絡(ここにきて、いろいろな制作協力者があらわれ、話がまた少し進む)など。既製品を使ってのグッズではなく全くのオリジナルものなどが作れそうです!
 閉店の頃、最近、某所でみつけた、ただごとではない建物(人家)が気になったので、ミニコミ「畸人研究」にお知らせ(タレコミともいう)してみる。一体どんな人物が住んでいるのであろうか…。解明されると嬉しい。

●02.05.13 今日もギャラリーめぐりかDM配布か
 朝一で川崎タカオ氏のDMのデータを印刷所に届けに行くが、データに不備があり直さねばならなくなり持ち帰りに。早起きしたのに悔しい。
 しかし、せっかくなので、京橋にある知人の豚カツ屋さん「きむら」に行きランチ。「きむら」は京橋駅近くにある小さなお店だが、家族を中心にがんばっている。豚カツ屋でありながらここ数年でお昼に日替わりランチやロールキャベツなどの新商品をメニューに加えておもてなし心を発揮しているのだ。銀座というちょっと気取ったエリアに隣接していながら、店員ご家族が暖かく迎えてくれて、「2番テーブルにお願いします」「はいよ」なんていう掛け声もポンポンと聞こえくるので、ほっとする。
 ランチの後は近くのvase galleryで大竹伸朗さんの展覧会を観てから、スパンアートギャラリーへ。
 行われていた木村了子さんの展示では、映画のために伊藤晴雨を模写した襖絵も展示されていた。それを見て、形だけでなく、オリジナルの線の勢いまで再現するのは至難の業で、模写にはまたそれですごいテクニックなり才能がいるのだなあと思った。オリジナルのステンドグラスにはそれとは違った味わいがあった。

●02.05.12 ギャラリーめぐりかDM配布か
 昼すぎから豊浦正明氏のフェアのためのDM配布。浅草の地下鉄の駅の出入り口そばにあるギャラリーef(ここは、慶応年間に建てられた蔵を大切に手直ししてギャラリースペースにしてる)へ。今はイスラエルと日本の国交50年記念のバックアップもあってイスラエルの写真家の展示であったが、自然の景色の撮ったものでパレスチナ問題など全く別問題といった雰囲気であり、不思議な気分になる。
 その後は麻布十番に出て、SUMUSの編集人でもある画家の林哲夫氏の展覧会を覗き、途中、よさそうな食品店があったので寄って、不足している食材などを買うが麻布マダムに頭の先からつま先まで嘗めるように見られたのが気になった。なぜ?
 原宿に出てNadiffやギャラリーopa!へ。まるでギャラリー巡りの一日。夜、閉店後にタコシェに立ち寄りメールチェックなど。

●02.05.10 バウリンガルを見る
 朝から銀行に行き、支払い。その後、シモジマで備品などを買ってから昨日準備した書類を持って税理士さんの元へ。ランチをご一緒し、ご馳走してもらう。もしかすると、ふつうはお店が税理士さんにご馳走するものなのかもしれない。しかし、いつも、手みやげをいただいたりこのようにご馳走していただいている。あるいは、お金の出入りをご存知で接待費があまりとれないと知って、そうしてくださるのかもしれないし、何かを渡したりしても後でレシートや帳簿でみて値段がわかってしまうと思うと何かはずかしい。
 午後、ミヤタケイコさんと待ち合わせて、ビッグサイトへ。ブックフェアと違って、おもちゃショーは会場面積もその2倍! おもちゃ業界は出版業界よりすごいことがわかった。それでも年々出展者は減る傾向にあり、設営も簡素化しているという。だが、キャンギャル(水着やミニスカートは着用していない)を大手数社のみが起用して多少の彩りを添える程度のブックフェアと違って、照明をバンバンたいて、コスプレギャルやインカムみたいなマイクをつけて大音量で説明する社員たちを配した場内はハイテンションでまばゆく、照明の熱と四方八方から聞こえてくるマイクの声が錯綜して結局何を言ってるんだかさっぱりわからないくらいの騒音で、ブースに入って10分もしないうちに疲れの波が私を襲った。
 ミヤタさんのお知り合いの社員の方の暖かい接待で、私はトミーが30年以上もプラレールで安定した実績をあげてきたことや、最近ディズニーグッズをまとめて扱うようになったことなどを知り、社会科見学の気分であった…。
 別のブースではクマのプーさんのアニメビデオを見て、プーさんの声がおっさん声で動作をひどくとろいのにショックを受け、タカラのブースでは誕生35年のリカちゃんがマタニティリカちゃんと銘打った母になっていたことを知り驚いた。さらにリカちゃんは133個のダイヤをちりばめたドレスを着用し100万円の値札をつけていたので、子供の頃一緒に遊んだ仲間が、100万の装いをして子供までもうけていた事実に、取り残された感を抱いた。(800個以上のダイヤをつけた非売品もあった)
 さて、タカラのブースには楽しみにしていた、犬の言葉を翻訳する機械バウリンガルもあり、二匹の犬に装着されていた。しかし、鈍感な私でも耐えられない暑さとうるささの中、犬はすっかりやる気をなくし、ふて寝状態。死んだように横たわっていた。ビデオの説明だと、バウリンガルは、予め犬種や年齢などのデータを入力しておくと鳴き声からフラストレーション、威嚇、自己表現、楽しい、悲しい、要求という6種に感情を判定するほか、様々な機能がついていた(得体のしれない雑種はどうしたらいいのだろう…)。飼い主が手元で操作する液晶画面つき手のひらサイズの本体があり、しぐさから感情を分析できる辞書的な機能っがあったり、一日の気分をグラフで示す機能、トレーニング修得度チェック機能、健康チェック機能、スケジュール管理機能!!(予防接種や定期診断日など)などなどを操作できるのであった。実際のワンちゃんたちによる試用を見届けられなかったのは残念だけど、これで犬と飼い主の距離は縮まるのかワンクッション置かれることになるのか(はからずも親父ギャグに…)。
 私は葛飾出身なので、タカラやトミーといったメーカーが区内にあるのは嬉しいし、やはり葛飾在住のライター平林享子さんによると彼女のお住まいの近くにはその筋では有名な大人のおもちゃ工場があるそうなので、偏りなくあらゆる幅のおもちゃを世に送り出している葛飾区が誇らしい気分であった。(大人のおもちゃは出展していませんでしたが)
 タコシェに品物を納品してくださっている業者のブースもあったので、ご挨拶をして新しい商品の情報を知ることができ、収穫もあった。

●02.05.09 雑用に暮れる
 仕入れに立ち寄ってからタコシェへ。問屋で本を見ていると本自体はそんなに仕入れてないのにあっという間に時間だけがたっている。
 店に出てから諸々の連絡。(通販の申し込みがある場合は梱包発送でこれまた結構時間がかかる。タコシェでは梱包用の段ボールや書籍用封筒は版元から送られてきた段ボールなどを保管して使ったりしているのだが、荷物の大きさは毎回様々で、それに合わせて段ボールを整形したりするためにカッターで段ボールを切ったり折り曲げたりして工作をしているようになってしまう。大きいまま送ればいいのかもしれないが、荷物が中で動いてしまうかもしれないし、箱の分が重くなりそうなのでパツパツになるようにしている。そういえばタコシェに送られてくる段ボールも整形されたものや詰め物をいっぱい入れたものなどある。荷造りってどこでも結構たいへんなのでしょう)
その後、給料の計算や用意、青色申告のため税理士さんへの中間報告書類の準備など、本には直接関係ないようなことに時間がかかるのである。
 明日のおもちゃショーでは犬の鳴き声を翻訳するバウリンガルという商品も出ているらしい。そういえば、以前、オーニシが突然この機械のことを話題にし、たいへん画期的な発明のように語り、その仕組みについて蘊蓄をたれていた(たぶん、蘊蓄の部分は受け売りと思われる)。「じゃあ、とっとと餌をくれ、とか機械が言うの」と聞いたら、どうも簡単な喜怒哀楽?を表示するだけらしい。それだけなら、飼い主なら翻訳されなくてもわかるような気がするが、どうなのだろうか。実物を見るのが楽しみである。

●02.05.08 おもちゃショーに行くために
 ゴールデンウィークあけは休み中に発注をかけられないため新入荷が少なく、休みの反動もあって少し静かである。
 こういうときに今後の展示の準備とか、地道な作業をしなくてはならない。金曜日には再びビッグサイトにおもちゃのショーを見にゆくので、それまでに今週の仕事をいろいろ終わらせなくてはならない。
 おもちゃショーは業者の日に行くことにしたが、はたしてお店の仕入れになるかどうかはわからない。でも、おもちゃショーというだけでちょっと楽しみ。

●02.05.06 北京的人体標本
 ゴールデン・ウィーク最後の日。昨日は一日自宅ですごす休日で、昼から途中休憩も入れながら翌日、つまり今朝まで部屋の片付けをした。ってどういう部屋なんだ…。古い服も捨てればいいのだが、これは掃除用のぼろきれになると思うと襟刳りや袖ぐりの縫い目を落として使いやすい大きさにして別のところに仕舞ったり、ちょっといいシャツの場合は端切れにして活用できる、と思ってまたほどいたりしているのですごく時間がかかって、しかも物は減らない。
 今日は6月に展示を行う予定の市場大介さんがみえて打ち合わせ。最近、北京に行ってらしたそうで、北京にある博物館を見物した話を伺った。館内には胎児が1ケ月から臨月まで1ケ月ごとに成長する様を見ることができるホルマリン漬け、人間を縦に切断してその断面を見せるホルマリン漬け、お腹を切って内臓をびょーんと出して披露しているホルマリン漬けなどたくさんの人体が展示されているそうで、中国の御家族づれはみな、お母さんが顔そそむけるでなく子供が泣き出すでなく淡々と眺めていたそうである。昔はもっと標本が多く100くらいあったのが、だんだんふやけたり腐ったりぼろぼろになってただでさえ気持ち悪かったり熟視にたえないものが本当にお見せできるものじゃなくなってきたため、今では70ほどに減っているとのこと。北京に観光に行く方は今のうちに見ておいた方がいいようです。急げ!

●02.05.04 ゴキブリコンビナートに蒸される
 先週会った、海外のDVD雑誌の取材に合わせて、今日、ゴキブリコンビナートを観ては、とお声を掛けてもらったので、麻布die pratzeへ。 それにしても劇場内はたいへんなことになっていた…。飛び散る液体をさけるためにレインコートを着用して入場すると、観客はオールスタンディング。舞台の下のプールに蓄えられている粘液が飛び散り、ウィンチが予定通りに稼働しないためにうまく昇降せずに斜めに宙ぶらりんになった変則的八百屋舞台(昔の八百屋の陳列台みたいに奥が高く斜めになった状態の舞台のこと。立ち姿がカッコよく見えたりする)を粘液が覆って踏みとどまることも大変そうであり、また客たちの中には本物の豚が放たれ、そこらで糞をして、さらにそれを役者がふみ砕き、臭い蒸し風呂の中にいるような…。でも、作品はかなりエンターテイメントな仕上がりでした。裸の役者の前ばりが取れそうで取れないのにもハラハラしました。
 粘液と豚糞に蒸された気持ちを中和するために、おしゃれな麻布十番を歩いてからタコシェへ。

●02.05.03 立ち読みの後のポイ置きを憂う
 結局、テレビへの出演は演奏家の方をご紹介することでバトンタッチ。
 数日前、マンガをながく立ち読みしていた女性客がいらした。確かに、中身がまったくわからない未知の作家の本を買うには勇気がいるので、少し中身を見たいという気持ちはわかる。書店としては自分の店で手にとっていただいてその場でよさを発見してもらい、買ってもらえたとしたら、こんなに嬉しいことはない。しかし、そういった中身の確認と読み耽るのとではちょっとニュアンスが違う。とはいえ両者の境目は曖昧なので、どう対処したらよいか悩むときもある。
 立ち読みの女性はときどきこちらを窺いながら読み続けてゆくので、私は「ただの立ち読みならやめてください」と念を送ってみたが、その本の面白さが私の念力を上回ったのか通じなかった。やがて、女性は本を置いたのだが、さんざん楽しませてもらった本をポンと投げたので、私は現場に急行し、5センチほどずれあがったカバーを直して元の場所に置き直し無言の抗議をした。
 しかし、その後もそのお客さんはこわれやすい人形のキットを手にとり中身が何かを知ろうとしてガラガラと振って音を聞いてみたり、戻そうとして箱をバラけさせたりしたので、再び私は現場に急行した。
 最近、大きな書店では自由に本を閲覧できるコーナーがある。ただ仕入れた本を返本しやすい大型店と、タコシェの場合は事情が違う。手作り品や限定のものもあれば、いろいろと折衝して納品してもらった本もあるだけに、傷みや汚れといったこちらの管理状態を理由にした返本はできるだけ出したくないのである。
 そういうわけなのでどうかご理解をいただきたい。

●02.05.02 知りたがりの上司と突然の出演依頼
 連休前に印刷所に行き豊浦正明氏の写真展のDMを受け取る。
 夕方、イラストレーターの川崎タカオさんがみえる。DMなどの打ち合わせのためで、店員の濱岡がデザインを行う予定なのだが、こういうことをするのが初めてなので、私は仕事を任せつつも心配で心配で、何をしようとしているのか、何が決まったのかなどすべてを濱岡から確認しないと気が済まない。
 閉店時間の頃、電波少年放送局で生放送中の恵子先生から電話があり、口琴に関して今晩の出演を求められたが、実演して口琴を紹介するということで、私の実演では口琴の楽しさを知ってもらうには心もとないので、実演適任者を探すということで、再度お電話をいただくことになった。

●02.05.01 製本の本のお知らせをもらう
 新しい本の流通を実践するサイトとして最近話題にもあがる版元ドットコムにコーナーを頂戴し、そこで製本に関する本をかなり前に紹介したことから、数日前に製本に関する本「自分で作る小さな本」を出された田中淑恵さんからメールをいただき、ご本を紹介された。
 メルマガやネットで書評をたまに書くが、これまで知人以外からの反応がわからなかったのでこういうことがあると嬉しい。
 さっそく、本を読んでお返事を出そうと思い、仕事に出る前に本を買って電車の中でざっと目を通した。ビーズやリボンをひかえめながらも上手にあしらったオリジナリティの高い豆本がカラー写真できれいに紹介され作り方の図解もあって、おしゃれなカフェ本や手芸本みたいな雰囲気で作る意欲を掻き立てられる。
 就職活動のさなかにもかかわらず、店に立ち寄りjuicy fruitsを納品してくれた後輩の大竹さんにも見せびらかせたところ彼女は本をたいへん欲しそうであったが、返事を書くことが頭にあった私は「これは売り物ではないから」とか言って後輩を残念がらせてしまった。売り物じゃなくて私物なら、就職活動に苦労している後輩にあげればよかったのに…と彼女がお店を去ってから思ったのであった。思いやりの足りない私であった。



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