Diary Jan.2001  トップへ
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by Ayumi NAKAYAMA

●01.01.31
気がつけば明日から2月ということで、あわててアルバイト募集のお知らせを作ってアップする。ほかにも色々な締め切りがたまっている。ちょっとあせる。沢木耕太郎の古いエッセイを読んでいたら、山王書房という行きつけだった古書店について書かれた箇所があり、早くに古本になった新刊を良心的な値段で売る、とか、律儀に取り置きを預かっていてくれるなど本好きゆえに商売下手な店主のエピソードが語られていた。確かに新刊書店に比べ、古書店の店主には一筋縄でゆかない人物が多い。アクの強い人物になりたいとは思わないのだが、つまらない店にはしたくなし。古書店にまつわる本には、自分もこうできたらいいなという、エピソードがたくさんつまっている。

●01.01.30
火曜日は私が店を開けるのだが、いつもたいてい忙しい。なぜならば、前の週の金曜日から週末にかけて注文しておいた3日分のオーダーが週明けの月曜日に発送され火曜日にまとまって到着するからである。開店するなり、宅配業者がドドドンと段ボールを置いてゆき、そのための検品やら何やらに追われてまたたく間に一日が過ぎてゆく。しかも、今日は一人で忙しい最中に急にトイレに行きたくなり、お客様が途絶えたら、シャッターを下ろして「すぐ戻ります」というはりがみをしてトイレに行こうと思い、張り紙を用意してポケットにはシャッターの鍵を忍ばせて待つのだが、こういうときに限って、お客様は途絶えるどころか、次々に現れ、嬉しいことではあるのだが、苦しくもあり、ついには我慢も度を超しては体によくないなどと自分に都合のよいことを言い聞かせ、近場の店の店員を電話で呼びだし代わりにレジにいてもらいトイレに走って行ったのであった。少人数の店のあなどれぬ問題「トイレ」。小さいころ、お出かけのときにはトイレと迷子には気をつけねばと肝に銘じていたが、両方とも極端に意識するあまり緊張し、やけにトイレに行きたくなり「おいおい、またかよ」と親を困らせたり、ふと緊張がゆるむと必ず迷子になっていたものだ。私のような人間が親になったら今度は自分の子供を迷子にするんじゃないかと思うが、今でも、街でわんわん泣いている迷子を見かけるとあの頃のひとり取り残された不安が手にとるようにわかり、もらい泣きしてしまうのである。

●01.01.29
 昨日は鎌倉まで足をのばし、カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュのオリジナルマッチ(沼田元氣作品)を仕入れつつ、お茶を飲んだり、店内の沼田さんの展示を見物をした。ヴィヴモン・ディモンシュでは店員さんとお客さんが語らったりしていて何だかアットホームな雰囲気であった。
 今日は店に出る前に欠けた歯を治した後、歯医者近くの店に入ってスパゲッティを食べていたら、なんとテーブルの上に茶羽ゴキブリが出現。私のナイフのとこにやってきて刃の上を歩くので、他のお客さんの手前、大声も出せず、店員に目で訴えたが忙しいランチタイムで気づいてもらえず、ここはもたもたして逃がす前に一人でそっとやるしかないと決意。しかし手近にスリッパもなければ新聞紙もない。何で叩くかと考えると手しかない。といっても素手ではかなわないので、茶羽の上に折り畳んだナプキンを置き、それと同時に叩きつぶし、そのままそしらぬ顔をして食事をすませ店を立ち去ることにして、大判のナプキンを何重かに畳み、茶羽の上に置くなり音を立てぬように拳をうち下ろしたつもりが、加減したぶんタイミングが狂い、ドシンという音が響いたかと思うとナプキンの隙間から奴は逃走し、カウンターの中の店員の前に飛び出していった。驚いたのは店員で、自体を察知してあわてて茶羽を捉えんとしたが取り逃がした。私は「お騒がせして失礼」と言ってそのまま何喰わぬ顔でスパゲティをたいらげたが、居心地はちと悪かった。

●01.01.27
 昨夜は飾れないかもと思っていた大きな板絵も含めてお預かりした古屋氏の作品を全部展示することができた。樹脂を塗り込めた作品もあれば、箱を使った立体もあるし、絵を写真に撮ってコラージュしたものなど、創作過程を想像して楽しい物が多い。今日は大雪。雪は嬉しいけど、寒いのと不自由なのが困る。店もてきめんお客様が減る。しかし、こんなときにもいらしていただけるとそれだけでとても嬉しい。どうもありがとうございます。よくクリーニング店が雨の日サービスとかやっているけど、タコシェでも雪の日サービスとか考えられりといいな。
 かつて、かわせみの里という自宅近くの公園の中の施設に行ったとき「雪の日に是非来てごらんなさい。それは白い雪に青いカワセミがはえてキレイですよ」と言われ、雪が降るたびにカワセミを思いだすが、いざ雪が降ると自転車が使えないので、かわせみの里まど1時間くらい歩くのかと思うとなかなか決心がつかない。

●01.01.26
 昨日は古屋氏宅に行こうとしたところ、おりから風邪をひいていた津川が熱でもあるのではないかという赤ら顔をして「具合が悪いので搬入係ではなく留守番にまわりたい」と言うので、具合の悪い人をひとり店番に残して出かけるのは心配であったがイトーと作品をあずかりに伺ったのであった。板に直接描いたものから、鉄の枠に布を貼ったものなど、様々なヴァラエティがあり、面白いがやけに頑丈だったり繊細だったりする作品を雨の中、急いで車につめこみ店に戻った。さて、これから、狭い店内にこの立体をどう配するか頭を悩ますことになる。

●01.01.25
 今日はこれから古屋兎丸氏のところに伺い、フェアのための作品を預かる。いつもはたいてい一人で出かけるのだが、今回は立体作品が多いので津川に手伝ってもらい二人がかりで車で運ぶことにする。たいへんではあるがこれまでの絵画の展示とは違った楽しいものになりそう。
 昨日、インターネットの小包追跡調査のページを見て、店から送った通販の到着状況などを調べて楽しんだ。宅配便の業者や郵便局など様々なサービスを行う中で、どれを利用すればいいのかは悩むところである。料金が安いにこしたことはないが、タコシェの場合、在庫が少ない商品もあるので、万が一、配達の途中で破損や紛失などあったら別の物をすぐ送ることができないこともある。となれば、安全性や保険や追跡の簡単さなども加味せねばならず、便利になればなるほど、たとえばマイラインで何を選べばいいのかすぐにわからないように、宅配にも頭を悩ますわけである。

●01.01.24
 タコシェの開店にかかわった松沢と私以外では、店員の中で最古参になる津川が退職することになった。関係者への正式な挨拶は書面でするつもりだが、それにともなって久々にアルバイトの採用を行うことになる。もうじきこのホームページなどで募集のコーナーを作るつもりである。私は、いつもそうなのだが、店員が退職するというとき驚いたりひきとめるということをなぜかしない。津川に対しても「そうですか。じゃあ、寒中見舞いを兼ねて、皆さんへ挨拶状を出しましょう。いや後任の人が決まってからがいいですね」などと、もう辞めるという方向でどんどん前向きに話をしてしまうのである。頭の中では、後任を決めて、挨拶をして、ひきつぎ、歓送迎会、保険の手続き、とどんどん段取りが進む。ひきとめたり残念がるよりも、できるだけのことをして送り出したいという気持ちと思っていただきたい。

●01.01.23
 今朝、出勤途中、自宅付近を自転車をころがしていたら、反対の歩道でガシャンという音がして見ればカートをひいていたおばあさんが転んでいた。あわてて、車道を横断して駆けつけると、おばあさんは手や顔から流血していてよろよろしていたのだが、手を貸そうとしても頑なで、飛び散ったお財布やらはずれてしまったメガネのレンズを拾ってどこかに収めようとしても何もいわず「いいです」の一点ばりであった。「お家に連絡しましょうか」とか「お送りしますよ」といっても拒むばかりで困ってしまった。こういうときは本当にどうしたらいいんでしょうかね。
 気がつけば、古屋兎丸展が今週末に迫っている。急いで新刊の手配やら搬入の段取りなどを行う。画集「プラスチックガール」に使った作品などを多く出してもらう予定。これはスタジオボイスの連載の最中から、私がとても興味を持っていた作品で、印刷ではなく実際に見たらすごく面白いだろうと思って、連載中から古屋さんに是非展示したいと言っていたものなのだが、タイミングを逸してしまい今ごろの展示となったのだが、時期をとわずに一見の価値があると思う。

●01.01.22
コンピュータの調子が悪く更新できなかったり、店を休んだりしていた。今日は実はリセのパーティの真っ最中にピザやら何やらをパクついている最中に割れてしまった歯を治しに歯医者へ。元気に食べていたが実は大惨事が起きていたのであった。歯も肌もボロボロである。店に出てすべりこみで年末調整の納付を済ませ、フェア関係の仕事。そうフェアの準備のことはよくここにも書いているが、フェアの後も精算したり作品を返却したりという仕事があり、これを無事に終わらすまでは肩の荷は下りない。準備をしつつ残務をし、ということで2週間サイクルでフェアを回してゆくのは結構忙しいわけである。

●01.01.19
体調が思わしくないのをいいことに、しばらくお気楽に過ごそうと思い、昨日は店に出たのだが、早くに上がり、年末に友人を介して知り合ったベトナム人のヴァイオリニスト、アントワーヌにお招きいただき演奏を聴くために、飯田橋にあるリセの新年会へ行く。クラシックのコンサートは最近全然行ってなかったので直接演奏を聴けるだけで感激する。初対面の校長先生にもとりあえず「ボンソワ〜〜」と挨拶してみたりしたが、後で立派な紳士が先生にちゃんと「ボンソワ、ムッシュウ」と挨拶しているのを見て、自分の礼儀知らずが恥ずかしくなる。演奏後のパーティでも周囲はフランス人ばかりで、ほぼ会話が成立しないので、やはりフランス語が話せず日本語が堪能なアメリカ人女性と語らう私であった。小さいお店で働いていて社交の場の少ない身としては、こういう場でちゃんと振る舞える大人になりたいと出かけるたびに思うのであった。

●01.01.18
早起きして、朝の9時代にアゴラ劇場に行き、劇作家・演出家の平田オリザに話を聞く。最近の作品のことを聞くつもりであったが、海外公演を行っているのでその辺りの内容が自然と多くなる。かつては自らの演劇論を世界で実践する!といった志を掲げていた平田さんであったが、いざそれが現実になったせいか、肩の力が抜けた感じで、具体的な俳優の動きや観客の反応をあげての相違など面白かった(フランス人は名刺交換の芝居ができないとか)。平田オリザや青年団は同じ演目を繰り返し上演したり、あるいは続編的な新作を作ったりしているが、その繰り返しの中でも、観るたびに作品が成熟しきて飽きることがない。それは、平田オリザと私が近い年代のせいもあって、彼がそのつど描こうとすることがいつも身近に思えるせいもあるかもしれないのだが。話を終え、渋谷、青山、表参道と歩いてから店に出る。

●01.01.17
アレルギーで体調の悪い今日この頃。様々な健康グッズを試すことに力を注いでいる。足裏樹液シート、酵母ドリンク、シジウム風呂などである。まるで趣味のように時間とお金を注いでいる状態である。ここ数年、店のことに一番、労力をさいてきたのでこれも新境地である。昨日、根本敬さんからご連絡をいただき久々に手作りグッズ各種を納品していただけることになった。いつもながら、つか見本の全ページに絵を入れた本やレターセットなど、手のかかった品々が出そう。さらに根本さんの場合、パッケージもご自分で作られており、その凝り具合が面白いのだ。

●01.01.16
昨夜は岸野雄一が店にやってきたので久々に一緒に食事。カウンターに座ってお寿司を食べる。中野だと寿司屋さんもリーズナブルで安心である。そういえば、中野はラーメンの激戦区である。主に店が集中しているのは、中野駅からタコシェが入っているブロードウェイというビルに続くサンモールというアーケード街を駅を背にして右側に一本入った通り。あっさり醤油味の白河ラーメン、すこしとろみがあるくらいにコクが出た塩味ラーメンの山頭火、家系ラーメンのオークラ屋、動物系のスープと出汁のブレンドが絶妙の青葉、その隣の鳥取ラーメンなどなど。休日には行列が出る店もあるが、平日のオフタイムならどこでもすぐに入れるので、寒い季節、ラーメン好きの方はタコシェの行き帰りに一本脇道にそれてお試しください。個人的には青葉の半熟卵入りをおすすめしたい。さらに駅をはさんで反対の南口にも香門やざぼんなど有名店があるので中野はラーメングルメには嬉しい土地である。

●01.01.15
13日土曜日は西岡兄妹フェアの初日。ミニ額が好評。夜は「イデビアンクルー」のダンス公演を見るために途中で抜ける。デビュー時はお笑い系ダンスグループと目されていた感のあるイデビアンクルーだったが成長著しい。ダンスや芝居などは、見ながら、一場とか一幕、或いはあるまとまった部分なりを無意識に感じつつ見ていることが多く、イデビアンクルーの作品もかつてはあるパーツを集めたという感じが強かったのだが今回は不思議な途切れなさがあって、どんどん水かさが増す川を急に止めることができないように、途中からこれをいったいどうやって終わらせてくれるのかな、という興味が沸いてきた。結論から言ってしまえば群舞がピタっととまって暗転したのだけど、今さらながら暗転の意味やタイミングを考えさせられた。公演のあとで編集者や制作の方たちと食事。こういう飲食も久々で楽しかった。
 最近、ダンスを観たり音楽を聴いていると妙に気分がよい。

●01.01.12
昨日は打ち合わせをして直帰してしまった。今日は、神田で仕入れをして店へ。明日から西岡兄妹のフェアなので、その準備。以前にも一度、フェアをしているが、今回も細やかに色々と用意していただいた。陶製の額に入ったイラスト。前回よりもやきものの腕があがってすごく趣のある額になったのにお値段は以前と同じ。若い読者の方々にも買っていただきたいとのことでお安いままなのだそうです。武井武雄にも通じるような色味やセンスですので、若い方だけでなくご年輩の方も是非。さらに、トムズボックスから出ている「21ケ月」という手製本の豆本を入れるため吉祥寺にゆき、ついでに少しDMも撒いてくる。今晩は追い込みで準備の予定である。

●01.01.10
今日、私が歯医者に立ち寄ったりしている間に、イトーがコンピュータの修復を続けようとしたら、ついにハードディスクすら認識できなくなったらしく、すべてを初期化して1からやり直すことになり、ようやくコンピュータは復調しつつある。昨日のうちにデータはすべて別のディスクにバックアップしておいたので大きな問題はないはず。ほっと一息である。

●01.01.09
メインで使っているコンピュータとその他のコンピュータとのネットワークができなくなり、その修復に手こずっている。少しずつ怪しい機能を取り除いて再起動しながら様子を見たがらちがあかず、結局、インストールをし直してシステムを入れ換えたが直らない。直らないどころか設定が全部白紙になってしまったままネットワークもできないので前以上に不自由な状態。うーん、参った。結局、直すことに追われて仕事ははかどらず。復旧作業は明日も続きそうである。

●01.01.08
お正月ということもあって、体調を戻すことを考え、しばらくのんびり過ごそうと思う今日この頃。睡眠も一日8時間〜10時間くらいとってみたりしている。今日は、中学・高校の後輩(といっても10才以上も年下で池松さんを介して最近知り合った)から納品したいというメールを貰い、ちょっと嬉しい。そういう納品希望のメールでよく受ける質問に品物の価格設定をどれくらいにしたらよいかというのがある。実際に品物を見てみないと何ともいえないのだが、どの方にも共通して私が応える内容はだいた以下のようなものである。ミニコミやフリーパーパーで儲けようという気になる人は少ないかもしれないが、活動を継続してゆくのなら、作成すればするほどお金が出てゆくような価格設定にはせず、経費をまかなえる価格に設定するのが妥当では、と。ほんとうにミニコミを扱っていると、何号か発行してそれきりになってしまうケースをたくさん見ているので、残念に思うのである。また、ある程度、定期的に発行しつづけることで、読者を獲得してゆくのも見ているので、是非とも続けることを考えて欲しいと思うのである。

●01.01.06
昨日は来週末に迫った西岡兄妹フェアのためにせっかく作ったDMを撒かねばと思い、店を早く出たつもりであったが、生憎、町は正月営業で閉まっている店があったりではかどらず。それでもこの週末には撒ききりたいと思う。途中の表参道のギャラリーの前を通りかかったとき、紙で動物たちを全部立体的に作って展示していたのが目に入り、ふらふらと入りこんだりして見てたのがいけなかったのであろう。動物の型紙なども売っていていくつも買ってしまった。何をやっているんだ、私は。

●01.01.04
あけましておめでとうございます。
営業は今日からだが、タコシェでは昨日に集まり掃除をした。本当は年末にやるものなのだろうが、打ち上げだの店員の帰省だのがあったので、年明けとなった。店の前の人通りは正月休みでかなりあるというのに、シャッター全開で大掃除というのは、往来の人に対して「今頃、おはずかしい」という気分であった。毎年、年末に一人で大掃除をしていたのだが、今年は店員もいたので、楽しかったしラクちんであった。