Diary Dec.2000  トップへ
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by Ayumi NAKAYAMA

●00.12.30
今日は2000年最後の営業日で石井隆さんの来店日も今回はこれで終わりである。来客の合間に、映画のことや劇画のことをポツリポツリと伺うと、ふだんインタビューなどでは読めない意外なお話をきけて、何日かにわたる長丁場の来店イベントもそういうところがよいと思う。タルコフスキーについて、コッポラについて、古い自作のことなどなど。
皆さん2000年中はお世話になりました。おかげさまでなんとか1年を過ごすことができ、タコシェも21世紀まで続けられます。来年は4日より営業いたしますので、よろしくお願いいたします。

●00.12.29
宅急便がお休みになってきたり、年始の段取りを考えたりして、ようやく年末らしい雰囲気になってきた。といっても新世紀を迎えるとかいう実感は何もない。タコシェは2000年はあしたまでの営業。夕方からは石井隆さんがみえる予定。

●00.12.28
慣れない抗ヒスタミン剤などを服用して、ここ数日だるいような眠いようなダウナー状態であった。今日は嶽本野ばらちゃん(外見は女のようだけど性別は男)に来てもらいサインをお願いする。新刊「ミシン」も好評のようで、次回作も進めているとのこと。以前、タコシェ通信でも取材させてもらった頃は関西はノー・フィチュアと思い切ってことを言って上京した野ばらちゃんだったが地道な活動が実を結び小説を発表。乙女のカリスマといいながら、志を持ってがんばるところは意外に男の子らしいような。一見、エログロが多いタコシェとは違う乙女路線なので、タコシェが応援するとイメージが崩れちゃうかも、と一抹の不安を抱きつつ、小さすぎず大きすぎない声でエールを送りまがら本を売り続けようと思う。
 本が汚れないように透明な袋に入れて店に出すのだが、その入れ方や封の仕方に関して「画期的な方法を発見した」と津川が言い出した。すでに「伊東家の食卓」のホームページにもその方法は発表済みだというが、一般家庭でどう役立つのかは疑問である。「中山さんも知り合いの本屋さんたちに教えてあげてください」などと言うが、何か大きな見落としや欠陥はないのか? その検証に向けてしばらくタコシェでは津川式ビニール包装を採用して耐久性を試すことになった。

●00.12.27
昨日は鬱病でも何でもない鴨沢さんにタコシェにおいでいただき、お正月用にサインを入れていただいたのであった。お元気そうであった。もうすぐ正月というのに、なにも準備していないのが心配である。

●00.12.26
今日は先日、鬱病だと言っていた鴨沢さんに電話をしてみる。病院で先生に診てもらったところ、全然鬱病じゃないと言われたそうである。いやなことがあれば落ち込む、いいことがあれば嬉しいという気分の波は誰にでもあることで、嬉しくなったりがっかりしているのは鬱病ではないとたしなめられたらしい。よいことである。

●00.12.25
土曜日は来店日で石井隆さんがみえたのだが、イベントが終わって後、新宿の自費出版物取り扱い店・模索舎よびかけの忘年会の会場となったYさん宅にお邪魔した。模索舎の店員さんやそのルームメイトやら納品者の方やらいろいろな方が集まっていた。ふつう鍋ではお箸で白菜や椎茸などをだんだんに入れてゆくと思うのだが、野菜の乗っている皿を鍋の上で逆さまにして豪快に何でも放り込む形式のワイルドな鍋で、そういうところが市民運動などの中から誕生した模索舎らしいと思うのであった。タコシェの場合はどうかというと、それがあまり店員たちで飲むことがないからわからない。1日中狭い店で一緒にいたうえに、「一杯いかがですか」と誘うのに気後れして、なかなか私が音頭をとらないでいるせいもある。

●00.12.23
アメリカにいるミンデラという心理学者は、ユング派の傍流に位地づけられるようだが、実にユニークである。肉体と精神をひとつながりに捉え、日頃の肉体が感じる苦痛をワークショップで身体表現に昇華したり絵画で表現することなどを通して、精神が肉体を通して訴えていることを当人に気づかせるという、一見人格改造講座のようでいてそれとはまったく違うフィールドワークを行っているらしい。(この方法は個人にとどまらず、夫婦や親子などグループにも応用され、人間関係の歪みを発見したり、ついには民族問題を扱う大々的なワークショップまで試みられているそうだ)らしい、というのは、私も本でしかその様子を知らないからなのだが。実際に喘息などある種の疾患は精神的な要因で発病することも多いようで、そうやって精神が体とつながり、個々の気持ちや体がまた人間関係を作ったり、人間関係から個々の精神や体が作られるということを思うと、診断されたときからはじまるアトピーという内なる病もまた多分に自分の精神や環境と関わりが深いのではなかろうかと思ってしまう。アレルゲンであるダニのことよりも、人間関係や仕事やら自分の環境そのものを見直すべきだと、お肌が警告しているのかもしれないと思う今日このごろである。

●00.12.22
昨日、急にNHK-BSが石井隆さんのフェアの取材にみえるということになり、開店前に撮影が入る。石井さんは、原画展の取材というなら旧作をもっと加えたいというので、さらに取材前に絵を追加して飾りつけることになり、いつになく早くに店に入り、絵を持っていらした石井さんと額装したり飾り付けをし、撮影を見守る。珍しく早くから働いたせいか夕方、マックに向かっているとついつい眠くなり、というか起きているんだか寝ているんだかわからないボーとした状態となったので、体を動かすことにして棚の片づけをする。これまで棚がスカスカなのは本屋としてまずいのではないかと思いこんでいたのだが、ミニコミ類は背がないものが多いので、よくレコードを買うときにシャカシャカとジャケットを見るように隙間を作っておいて順繰りに表紙を見ることができるようにした方がよいのではなかろうかと、今さら気づく。というわけで、今後、ミニコミのあたりの棚が少しスカスカになるかもしれないが、その際は商品が少ないためでなく、見やすくしたためだと思ってほしい。

●00.12.21
今日はプリンタのドラムを買ったり髪の毛を切ったりしながら店へ。コンピュータ店では取り置きしてもらっていたドラムを店員が取り置き棚から出さずに店頭から出して渡そうとしたので、「取り置きで頼んであります、棚の右端に置いてあるのがそうです、それ。そっちをください」と仕切る。自分の店でも取り置きがあるのに店頭から出してしまうと後で「とりにみえないのかしら…」と混乱してしまうので、よそに行っても業務の混乱を想像して取り置きの棚から出せぃ!と心の中で叫んでいる。店員の習性である。

●00.12.20
dragibusはパリ在住のローとフランクのカップルが95年に結成し、各国の古い童謡をキッチュに歌い演奏するユニットで、日本にも何度かツアーに来ているのだが、フランクがむこうでビンボータワーというタコシェに似たようなお店をやっている関係で、お店を通しての交流がある。そのdragibusのローが高円寺のカフェで展覧会をひらくために、ひとりで作品を抱えてやってきた。本当は昨日、搬入のはずが飛行機に乗りそこね(!)、当日の今日になって到着、あわてて飾り付けをしたのだそうだが、そんな彼女の作品を見に、夕方、タコシェを抜け出した。パリから帰国中で飾り付けの手伝いもした友沢ミミヨさんも愛娘コタオちゃんと一緒にいるというので、久方ぶりの再会も楽しみであった。ゆけば、小さいしゃれたカフェの壁は、dragibusのジャケットでもおなじみのフェルトや毛糸、ボタンで作ったかわいい絵で埋め尽くされていた。それでもまだ飾り付けは終わってないらしいのだが、ともかく一休みしているところを、カタコトの英語やフランス語でお話。ローは異国に一人で渡航し準備で疲れているはずなのに、訪ねてきた知り合いにお土産を渡したり差し入れのシャンパンをさっそく振る舞ったりみんなを手厚くもてなし、その女の子らしい優しさに心が洗われるような思いであった。作品もホントに彼女らしいかわいいかわいい、切り絵というか貼り絵ですので高円寺に近い方や沿線の方は是非。詳しくはインフォメーションページをご参照ください。

●00.12.19
以前、宮沢章夫さんが、アトピーという病名がなければアトピーは存在しないのではないか、という疑問を呈していたことがある。ある種のレトリックのようにもとれるし、そのでんで言えば、ニキビだって痔だって盲腸だって存在しないのかもしれないが、確かに、私が小学生の頃、毎日プールに入っているからお風呂はいらないといってタムシになってしまった友人はいたがアトピーなどという横文字の病名をかたる同級生はいなかったし、アトピーという名前すら知らなかった。しかし、去年、いい年をしてできてしまったあせもがなかなか治らないと思っていたら人から「皮膚科に行け」とすすめられ職場近くの性病科と兼業の皮膚科を訪れてみれば、腕まくりしきらぬ私の肘のうちがわのちょっとしたかさつきを0.2秒ほど(ほんとに一瞬!)見た医師は即座に「アトピー」と言ったのであった。そのときは「え、専門家にしたら一目でわかっちゃうくらい私ってアトピーだったの?」と落胆した。以来、だらだらと軽症のアトピー患者をやってきたのだが、ふと気がつけば初診から1年近く。思いがけない長いつきあいであることに気づき、このまま20年30年とアトピーというのも不便じゃないかと思い、治療を見直すことにして、気合いを入れてアトピー関連の本を読むと、どうだろう、宮沢説をとなえる医師がいたのであった。その本はアトピーという名前やその原因、治療法にこだわることなく、自分で自分の肌をいたわりよいコンディションにすることのみを提唱しているのである。アトピー体質でもアトピー症状がでなければいいのだから、無理な体質改善に無駄なエネルギーを使うななど。確かに、アトピーと診断されてからの私はダニ除去掃除機を購入するやらダニを死滅させる布団乾燥機を毎日使うやらもうアトピー患者の王道を歩いていたのであった。そうやってそれ以前の数十年間毎日丹念に掃除機を掛けた部屋にいたというわけでもないのになんともなかったことを忘れていたのであった。しかし、これはアトピーにだけいえることではないと思う。ああ、アトピーまかふしぎ。

●00.12.18
昨日、自転車に乗って街を走っていたら文教堂という書店の看板が目に入った。そういえば銀座にあるのは教文館だったし、消耗品を仕入れる浅草橋のシモジマの近くの本屋は明正堂である。それで、そうか、書店とはそういう志を掲げて命名されるものだったのかと気づいた。本が大量に出回りだしたのは製紙技術や印刷技術の発展と関係あるはずだが、昔はどうしてもという一冊を写本したりしていたのが、製紙・印刷技術によって出回りだし、書籍販売が成り立つようになってきたとき、たぶん本屋さんというのは精神的豊かさを提供するとか文化を担うという張り切った気分があったのだろう。だからこそ、そういう名前をつけたに違いない。コンビニでも本を扱うようになった今、本は娯楽品のひとつともとらえられ、本を扱うことにそうした意気込みを感じる書店員は少なくなったのかもしれない。

●00.12.17
昼間、バードウォッチングをしてから店へ。冬は木の葉が少なく鳥を見るにはいいのだが、寒いので鳥を見るための早起きがつらい。本当は探鳥会に参加したいのだが、朝8時高尾山集合など意志の弱い私にはとてもではないが無理そうである。というわけで朝寝坊の後、一人双眼鏡を抱え近くの公園に自転車で行くのだが、寒くなって鴨類が充実してきたのを実感。カワセミが魚を加えて丸飲みするところを見ることができた。都会で鳥を見るのは難しいが、意外や明治神宮も鳥が充実していて、初心者でも池にゆけば美しいおしどりを見ることができるのだ。おしどりは実のなる木が水面の方にまでたれこんだ池にいるので、ほかの鴨類にくらべて場所を選ぶようであるが、明治神宮の池はまさにそんな池で、陸にあがってどんぐりを食べていることも多いのである。
 店にゆくとパルコ木下さんがみえて近況などを語ってくれた。最近、過呼吸を経験したとのこと。発作状態になり、外見が頑強そうに見えるだけに、命にかかわらない一瞬の病気体験というか病弱気分が味わえて嬉しかったと瞳を輝かせていた。

●00.12.16
今日は佐川一政さんが新刊の漫画の発売にあわせて、サイン会のためにタコシェにみえた。初の漫画作品とのことだったが、様々な知人も含めて大勢のお客様においでいただき、にぎやかなひとときであった。さらにその後石井隆さんの来店アワーと続く。場内整理やお客様への対応などに追われているうちに閉店時間になっていたというような一日だった。

●00.12.15
年内に版画作品を仕上げるので最近また宇田川先生のアトリエで夜なべをすることが多く忙しい。それも多分今日でおしまいになる予定である。そして明日は佐川一政さんのサイン会と石井隆さんの来店日。佐川さんが4時からで石井さんは6時からいらっしゃる。濃い一日になりそうだ。

●00.12.14 
忘年会ではないが、年末となり夜に外出する用事がときどき入り日記を書いている時間がとれないこともある最近。ところで、店で仕事をしている最中、ボールペンや消しゴムをうっかり落としてカウンターの下などに入り込んでしまうことがある。どれ、拾おうと、荷物や何やらをずらしてカウンターを床の隙間を覗くと、ゴミやら埃がたまっているので、本格的にプリンターやその台をよけて掃除をすると、小銭が出てくる出てくる。あわててレジ金を勘定しようとしてぶちまけてしまった小銭の一部やら釣り銭を渡し損ねて落ちた小銭が。その中に500円玉をみつけたときなどは「おっ」なんて喜んだりして。というわけでひとり床にひれ伏し小銭拾いをする私。ひっそり小箱に小銭を貯めていたのだが、先日、フェアの準備のためにみんなで残業するときに私は「実は床に落ちていた小銭を拾って集めたものが貯まっているので、それでコーヒーを買ってきてみんなで飲みましょう」とせこい提案をしたのであった。イトーは「僕、日本茶を飲みたいから別に要りませんが、飲めというなら飲みます」というつれない返事。津川はその日に限ってすでに小さい水筒にコーヒーをいれてきてチビチビ飲んでおり「せっかくですが、今日は持ってきちゃったので…」と。コーヒーを買って飲みたいのは私だけで、言い出したはいいが、誰にも喜ばれぬままフェイドアウトかと思うとなんかしらけて「いいです。今日はもうコーヒーはなし。買いまセン」と自らピリオドを打つ。テレビで松本人志が、子供のころ、父親がどういう風のふきまわしか土産などを買って帰ってきたときに限って、夕飯を済ませたばかりの母親と子供たちが父親に気遣ったつもりで「お腹いっぱいだから後で食べる」と口々に答えると、父親が怒って「もうお前たちに土産なんか買うものか」と土産をゴミ箱に叩き捨てた、というような話をしていたが、まさにそういう親爺状態。親爺の気持ちがしみじみわかるシチュエーションが多いこのごろである。

●00.12.12
この前、人と話していて、出版界で書籍の売上の4割をしめる漫画を文学と同列に位置づけることを文部省が認めたというのを聞いた。これは漫画にとってよいことである一方で、漫画が古典になってきたということなのだと感じた。最近の復刻ブーム、漫画の本にきちんとした解説が付されることなども、新しい傾向であり丁寧な本づくりである一方、かつてのように作家たちが積み残しのままバンバン量産していたエネルギッシュな時代から遠ざかってしまったのではなかろうかという気持ちがある。成熟期に入った漫画を見守りつつ、成熟を圧倒する新しい作家や作品が現れないかなぁと期待もする最近。お店にとっても入れさえすれば売れるものを売る時代でなくなったのかもしれない。熟成に、新しい才能にどう関わり役立てるかを考えるときなのだろう。

●00.12.11
教育の場では教える者と教えられる者という一方通行の関係や上下関係からの解放が取りざたされるが、会社や店の場合はどうなのだろう。私は部下よりも一緒に仕事をする仲間がほしいというちょっと青っぽい気持ちが強いのだが、タコシェではシフトに入っている店員たちはみな、タコシェができてから途中で入ってきているので、やはり店員たちからすると私に対しては仲間的な意識はあまりないのではないかと思う。というわけで、ちょっと意にそぐわなくても上司的な役割を引き受けなくてはならないのだろうなという気持ちと、そういう役割を望まないでほしい、という気持ちの間で常に揺れてしまう私である。

●00.12.10
吉祥寺の井の頭公園近くにある糸きり団子喫茶「ミカワ」に〈あなんじゅぱす〉というバンドのライブを見にゆく。小さいお店は15人ほどのお客さんが入るといっぱいいっぱいだったが、みんなにお団子とお茶がふるまわれ、ステージもないマイクも何もない小さな空間でギターとハーモニカやピアニカなどを使った男女のデュオを聴く。あまりに歌っている人との距離が近いので歌っているところを見ようとすると目があってしまうい、向こうもこっちもはずかしいので、俯いてひたすら曲と歌詞に耳を傾ける。曲の合間に正岡子規の雲日記が朗読されたが、窓の外の雲の様子を日記につけていその様がすごく新鮮だった。曲は歌謡曲のような童謡のようなフォークソングのようなものなのだが、アルチュール・ランボーの詩に曲をつけたりしていて、それが青春歌謡のようにさわやかであった。それにしても、お団子がとてもおいしかった。そぼくで丁寧に作ったただそれだけのお団子というかんじで、もちっとした柔らかさがほかでは味わったことのないものであった。井の頭公園裏手にある12時から5時までのお店です。

●00.12.09
昨日は石井隆さんのフェアの準備で忙しく更新を休んでしまったが、今日のお昼には展示作品の一部もホームページのイベント情報に加えてなんとか準備完了。劇画の世界を離れてだいぶたつ石井さんだが、2年前の原画展のためにイラストを描きおろしていただいてから久々にまたたくさん描いてもらった。2年前は久しぶりのイラスト仕事ということで、はじめにお持ちいただいたイラストにはどこかかたさがあり小さくまとまった感じもしたが、絵が売れてなくなってしまい追加をお願いするにつれ、線がのびのびとして画用紙いっぱいに何かが解き放たれているような印象にかわりとても嬉しかった。今回は、2年ぶりだったにもかかわらず、前回のその勢いを保った生き生きとした絵で、「今回は最初から調子がいいですね」と言うと「線を描く力加減はもう前回で覚えたからね」とのことであった。長く漫画の現場を離れながらも、そうやって手が仕事を覚え、今も筆をとるたびにスキルを身につけているということにちょっと驚きを覚えたし、量産を控えて品質向上を目指したストイックな創作スタイルをとっていた職人的な石井さんらしいとも思った。それから参考展示中の「夜」という絵は、最初はヘアが出た絵だったそうだが、ポスターなどに使うため急遽、パンツをはくことになってしまったそうで、見れば腿に引き下ろされたパンティが描かれているのに女性は黒いビキニもはいている。私はずっと黒いビキニをお腹の陰影かと思っていたが違っていた。二重パンツをと知って見ると不可解、不可思議な絵に見えるので、いらしたときに皆さんも確かめてほしい。

●00.12.07
今日はOM-2(黄色舞伎団)という劇団の真壁茂夫さんと話をして、そういえば、最近「実験演劇ってないねー」という点でお互い頷いてしまった。もちろん、個々の作家や劇団の中ではいまでも実験はあるのだが、いわゆる天井桟敷的な大がかりな実験演劇という分野がないという意味でである。実験がないということは、異なるジャンルとの交流がないということだから、自らが運営する劇場でお客さんたちを見ていてもダンスならダンスの観客、演劇なら演劇というよに客層にだぶる部分がないとも言う。私も本の買われ方を見ていてそういうことを感じることがある。実験のない時代? 実験のない世の中?そういうものなのだろうか。

●00.12.06
今週末からフェアがはじまる石井隆さんは作品製作のラストスパートに入っているらしい。孔版印刷と墨絵と色鉛筆の3種類の描きおろしを猛烈な勢いで制作していて、しかも、紙もあれこれこだわって試している(本気で描いてためしているみたいである)。夜を徹して描いているようで、電話で状況を訊く限り、なんか、すごいことになってしまっているとしか言えない。しかし、ご本人は今回は力が入っている!とのことです。

●00.12.05
昨日、紹介したフリーペーパーANTENNAで特集されていた美術ライターの平林享子さんがたちあげたばかりのオンライン書店CLOVER BOOKSにアクセスしてみた。品数は少ないが、ジャンルにこだわらず新旧を問わず平林さんのセレクトした本が1つ1つ紹介されていて、なんだか健気さが伝わってきた。平林さんのセレクトした本の中にポーランドの演出家で亡くなったカントールの本(芸術家よ、くたばれ!)を見つけたとき、私もこの前わずかな在庫をさがして店に入れていたので、「うわっ、同じようにこれを大事だと思っている人がいる。そうだよねー、いいんだよねー」と嬉しくなってしまった。面識もないのに、そんなことでシンパシーを持ったり、励まされたりする不思議な同業という関係。

●00.12.04
今日は新入荷の情報がないので、フリーペーパーのことを書いておこう。タコシェではフリーペーパーやチラシ用のラックを置いているのだが、よくお届けいただいているペーパーはというと●カエルブンゲイ:本をめぐるお話や出版にかかわる人たちによるエッセイやイラストが豊富なタブロイド版のフリーペーパー。執筆陣に池松江美、ペリー荻野、豊崎由美、宮藤官九郎、松尾スズキ、宇田川新聞などの名が連なる。●VOX:カエルカフェ(カエル続きです)が発行するA5版の小冊子。カエルカフェが出会った人へのスペシャルインタビューが読み応えあるほか、CD紹介やカエル図鑑が。●ANTENNA:毎回、特集を組んでエディターがこれぞと思った人を徹底取材。過去、パレポリを出したばかりの古屋兎丸に取材したり、映画鑑賞の達人滝本誠を特集したり。今回はアートの伝道師・平林享子さんを徹底取材。B5版の冊子●東京回顧団通信:東京の面白いスポットを紹介するほか、今日は何の日ばりの「おじゃる日記」や赤煉瓦の建物紹介など。手作り感あふれるA5変形版●THE BAG MAGAZINE:嶽本野ばら、吉村智樹、戸川昌士ら関西系ライターの連載が楽しみなボリューム満点マガジン●JUNGLE LIFE:ミュージシャンインタビューに音楽情報を盛り込みつつ、こちらも戸川昌士、シモーヌ深雪ら多彩な連載陣を擁するA5版冊子。このほかにも九州で作られている豆本サイズながらしっかりした特集を組む「みずうみ」などいろいろありますので、お手にとってみてください。ただだけど、ある時期をすぎると二度と手に入りません。

●00.12.03
フィリップ・ソレルスのフランシス・ベイコン論を入れてみたのは、個人的にフランスの小説や思想書が好きだというのもあるのだが、最近よく嘆かれる本離れの原因がタレント本や実用書などとりあえず売れさえすればいいものを作って並べる、作り手や売り手にも問題があるのではなかろうか、と反省もあってのことである。お魚を骨ごと食べるように、本もバリバリと噛んで飲み下してしまうことも必要かと思う。というわけで、今後は歯ごたえのある本ももっと店に置きたいと思うのである。
 2月の大韓ロックフェアを企画したプレイメイトレコードのいっちゃんは自身が立ち上げたレーベル初の一月にわたるイベントというだけあってたいへんかいがいしく準備をすすめている。はじめてのことだらけなのに根本敬さんにDM用のイラストを依頼したり殆ど一人で動き、品物をリストアップしたりしている。内容も楽しみだが、そうやって私も韓国ロックのことなど教わりつつ店の外の人との共同作業ができることが楽しい。

●00.12.02
今日はパルコ木下さんが創形美術学校の版画専攻の生徒の中の有志で創ったTシャツ部の部員さんたちをひきつれ店に来て、納品をしてくれた。私は約束の時間を勘違いして遅刻したため、店に入ったらレジを取り囲むように人が並んでいたのが目に入り何事かと思ったが、みんなして納品の ハウ・トウに耳を傾けているところでホッとした。いろいろ試作した中で販売に耐えうると思うものを厳選して持ってきてくれたらしくお値段も1500円からでかなり個性的な模様のTシャツが大量に入荷した。研究を重ねただけあって、輸入ものの転写素材など使って色ものシャツにもキレイなプリントができている。まとめて、店の中央のポールに掛けてみたので、ちょっと目線を上に移して見てほしい。そのうち絵柄をホームページにアップしようと思うが今日は終電の時間が近づいたので、後日。

●00.12.01
工事中であったビルのエスカレーターが完成し、なぜかフロアには祝いの横断幕まで出た師走。クリスマスセールで今年はお買い物していただいたお客様には福引き券とともに、ホッカイロを配布することに。タコシェでも配布中である。